SPECIAL - キャストコメント

『ラストエグザイル-銀翼のファム-』に出演される声優のみなさまからインタビュー形式で本作に関するコメントをいただきました。毎週更新予定ですのでご期待ください。なお、各記事は最新2回分のみ(通常2週間)の掲載となりますので、お見逃しにご注意ください。

ソルーシュ役:中村悠一さんへのインタビュー公開日 2011/12/23

「LASTEXILE」をひと言で表すと?

中村 ひとつの「挑戦」としてやらせていただいています。作品に関わるにあたっては、いつもそれぞれ自分自身が今までと違ったものを表現できればと思っています。これまでも戦う人の役は演じたことがありましたが、「LASTEXILE」の世界を作る芝居の雰囲気や世界観の構築は、他の作品とは全然違うもの。だからソルーシュも自分のキャラクターとして、今まで似たものはなかったと感じています。これだけ登場人物がいると、普通は各キャラを立たせないとどれが誰だか分かりにくくなりがち。だけど、みんな濃く演じずともキャラクターが生きていますね。人間って、たとえば「俺は不良キャラだぜ」なんて気取っているわけではなくて、あくまで自分は普通だと思って生きている中で、他人とは少し違うところが個性になっていると思うんです。この作品ではそういう感じでキャラクターが生きています。それがこの世界をファンタジーでありながら、ひょっとしたら自分たちの未来のひとつの形かも、と思えるものにしているのかなと。

その中で中村さんはどのように役作りをされて行きましたか?

中村 ソルーシュは軍人だけど、ちょっと崩した自分のスタイルがあると、資料にはありました。僕としては、軽い雰囲気を出しつつ、あくまで軍人というベースに則って演じられればと思っています。ひとりオーバーになって浮かず、この世界にとけ込むように演らせてもらっていますね。ソルーシュの場合、たとえば軍議では普通の軍人ならシリアスになるのを踏まえたうえで、周りを見ながら「皆が同じ方向を向くと負けるかもしれない」と考えるキャラクターなのかなと思います。本当に締めなきゃいけないところは別にして、どこか抜いているところが表現に入っていると、カイヴァーンもオーランも軍人らしい軍人として描かれているので、将軍たちの中でいいバランスが取れるかなと。これだけ登場人物がいると、作中でひとりに割ける時間も限られてくるので、その分ハードルは高いですね。僕以外にもみなさんがどういう風にキャラクターを処理していくのか難しいなと思います。

ソルーシュへの最初の印象はいかがでしたか?

中村 ソルーシュとオーランを一緒に見たのですが、素直にいうと、今まで自分が演じてきたラインとは違っていたので、逆なんじゃないかと思いました(笑)。パワーバランスとしても、この五将軍の並びでこの配置なんだ、とすごくびっくりしました。そうはいっても、福山(潤)さんにもオーランのような一面はありますし、僕にもソルーシュのような一面があると思ったので、画から受ける印象が違うだけで、普通に演らせていただいていますね。ただ、面白いものでアフレコに参加してシナリオを知っているはずなのに、オンエアで――絵が完成して音楽や効果音がついて客観的に見ること――で気づくことも多いんですよ。芝居についてオンエアで気づくというのは、自分が意図していなかったものが含まれていたということなので、正直「完成した状態で見ると、俺のセリフの意味がちょっと違う風に聞こえるな」って思ったこともあります。すごく難しいんですけど、たとえば、心情としては囁きたいシーンでも、収録の都合上効果音が乗るので芝居としては大きい芝居にせざるを得ない場合もあります。それでも大きい芝居の中で囁く感じで演じているんですけどね。その芝居を改めて完成形として見ると印象が変わったりするので、それが面白いなと思うことが多々あるんです。監督は音響監督も兼ねていらして、そういう難しさをすべて綺麗に取りまとめてくれるので、信頼してアフレコができますね。

今後の展開はどのように予想されてますか?

中村 福山さんたちと「絶対、誰か死ぬだろう。それは自分じゃないか?」ってみんなで話しています(笑)。それぞれの考えで、誰がどこについていくのかが気になりますね。ルスキニアとアウグスタでも、同じ場所にいながらも考えていることが少し違うじゃないですか? そのルスキニアの考えに対して、ソルーシュやオーランはどこまで心を許しているのか分からないですからね。そのへんは今後アフレコを進めていくうえで分かっていくのかな。そういう意味でも、やはりこの作品は群像劇なんだなと思いますね。作品タイトル通りであれば、すべてファムの視点で描けばいいのですが、絶対的にルスキニア視点が存在しています。ルスキニアはもう一人の主人公と思えるほど重要なキャラクターとして大事に描かれているので、興津(和幸)さんは幸せだなぁと思いながら観ています(笑)。ああいう風に描いてもらえる役をやられるのは役者としてすごくありがたいですし、やり甲斐があるものですからね。

次回のインタビューはヴァサント役の折笠富美子さんです。メッセージをお願いします。

中村 ちょくちょく収録現場でお会いすることがあるんですが、そのたびに生活感を感じさせないのがとてもステキだなと思います。だからこそヴァサントのような役にハマるんだなと、そう思いながらいつも眺めています(笑)。

オーラン役・福山潤さんへのインタビュー公開日 2011/12/9

「LASTEXILE」をひと言で表すと?

福山 言うならば「時代の先駆者」でしょうか。8年前でさえ、あれだけのCGを2クール成し遂げていて、本作はさらに融合している。技術の進歩はすごいと感じました。それとまったく違いますが、今日の収録でもこんなにロシア語を喋らせるのかと驚かされました(笑)。片言ならともかく、ゆかなさんをはじめ、ロシア語のセリフを本格的に読んでいるのがすごいんです。よかった、僕の役じゃなくて(笑)。

ちなみに、福山さんはこれまで日本語以外で演じたことは?

福山 4ページぐらいの分量をフランス語で会話することがありましたが、スピードが追いつかない。あれは地獄を見ましたね(笑)。やはり言葉はその国の文化ですから、おいそれと簡単にできるものではありませんよね。どういう感情に力点を置くのかを聞くようにしますが、実感を持ってできているかは、人の判断に頼らざるを得なかったりします。

オーランという役はこれまでの福山さんの役としては珍しいタイプのように思えました。

福山 そうですね。はじめて公式サイトでオーランの顔を見たら、どう考えても屈強そうな人物で。こういうタイプの軍人をやらせてもらうのは、ほぼなかったので意外でしたね。最初はソルーシュとの間違いかなと思ったくらい(笑)。でも、嬉しいですね。監督が僕のどこからオーランを導き出したのか、終わってから聞きたいですね。群像劇でもありますから、そのエッセンスになればいいなと思います。

千明監督とはキャラクターについてどんなお話をされましたか?

福山 性格設定とかは最初に監督とのディスカッションで得られる情報や、会話しているなかから推察しました。「任務に対して忠実に遂行して、自分に与えられた責務をまっとうすることに関してまっすぐ真面目です」と端的なお言葉でした。オーディションの僕の声を聞いて、オーランという配役だったので、そこをベースにしてこの器にどのようにはめられるかを汲んだりしました。カリスマの下に集う5将軍ですから、重責だなと思いながら毎回プレッシャーを感じつつ演っております。

オーランという人物をどのようにとらえて演じていきましたか?

福山 彼らは会議の際に食卓を囲むのですが、上の人と話していても黙々と食べながら会話をしているんです。その姿から性格を感じ取るものがありました。それとは相反して、ファムたちを追い詰め出し抜かれたさまから、どのように軍事へ従事しているか本人の真面目な気質の一端が垣間見えます。それと、画が持っている雰囲気というのは、文字情報よりも雄弁に語るのかなと思います。

今回の福山さんの芝居の聞かせどころはどんなところになりそうですか?

福山 ただただ愚直な軍人ができれば、ストーリーの中で彼の人間性やキャラクターが描かれていくと思うので、その一点ですね。ルスキニアに対する5人のコントラストを考えながらやりたいなと思います。

アフレコ現場は福山さんから見てどんな様子ですか?

福山 みなさんそれぞれ雰囲気を持っているので、特にムードメーカーは必要ないんじゃないかな。強いて言えば千明監督ですね。「今日のお話は、ファムが失敗する話です」「ジゼルが落ち込む話です」とか、腰が低く柔らかい雰囲気でにこやかにドSな発言をするんです(笑)。

みなさん、監督から先のお話を聞かされていないそうですね。

福山 僕も先は知りたくないです(笑)。オリジナル作品の場合は知らないほうが面白いですね。僕らは生き残るのか死ぬのかどっちかなと(笑)。ソルーシュとオーランの性格が対極的なのでどういう死にざまか、あるいは死なないのか、という会話はキャスト同士でもしますね。嫌な予感はしますが(笑)。5人の中で誰かが崩れるとしたら、オーランって、足元をすくわれてうっかりミスで死にそうなんですよ(笑)。ここまでの収録ではまだ長く喋っていないので、今後ソルーシュや先代のアウグスタの思いを語り出したらヤバいですよ!(笑)

次回のインタビューはソルーシュ役の中村悠一さんです。メッセージをお願いします。

福山 何やら過去編の話があったとき、僕らの15歳ぐらいの年齢の少年役が出ていたんだって。俺たち、逃げ道なくなったぜ……(笑)。