九州電力玄海原発4号機(出力118万キロワット、佐賀県玄海町)が25日午後11時すぎ、定期検査入りした。九州の原発全6基の運転が停止、政府と九電が企業や家庭に要請している5%以上の節電期間が26日午前8時にスタートする。九電の全原発停止は1980年以来31年ぶりで、81年に原発が複数基体制になって以降は初めて。九電管内での節電要請は第1次石油危機で15%の使用制限令が出た1974年以来37年ぶり。
全原発停止を受け、九電は火力発電の補修時期をずらすなどして稼働率を上げ、他電力からの融通などで供給力を高めるが、今冬の最大需要予測に対する供給余力(予備率)は0・8%に低下する。昨冬並みの厳冬になれば、予備率がマイナスになり供給不足に陥る懸念があり、前年比5%以上の節電が必要と判断した。
5%以上の節電要請は、26日から来年2月3日(12月29日-1月4日を除く)の平日午前8時から午後9時。強制力はなく、自主的な協力にとどまる。病院や鉄道などは対象外で、業務に支障がない範囲での協力要請となる。
原発の定期検査は、電気事業法で13カ月運転するごとに義務付けられており、核燃料の一部や消耗品を取り換えるほか、主要設備が正常に機能するかなど約130項目を検査する。通常は2-3カ月で終了するが、福島第1原発事故後は、国が安全評価(1次評価)や地元の了解を再稼働の条件としたため、九電でも定検入りした原発が営業運転に復帰できずに停止したままとなっている。
26日の節電初日には、九電や九州経済産業局などが共同で、節電への協力を呼び掛ける街頭キャンペーンを福岡市内で実施する。
=2011/12/26付 西日本新聞朝刊=