2011年10月31日 10時36分 更新:10月31日 13時18分
政府・日銀は31日、東京外国為替市場で円売り・ドル買いの為替介入に踏み切った。介入は8月4日以来、約3カ月ぶり。歴史的な円高に歯止めがかからない中、放置すれば輸出産業を中心に日本経済に打撃が広がり、東日本大震災からの復興に水を差す恐れがあると判断した。介入は断続的に行われ、規模が一日として最大の4.5兆円を投じて過去最大となった8月4日並みとなる見方が市場に出ている。【赤間清広、大久保渉】
円相場は、31日早朝のオセアニア外国為替市場で一時1ドル=75円32銭まで急伸し、戦後最高値(75円67銭)を更新した。東京外国為替市場で午前10時25分以降の介入を受けて反落し、一時1ドル=79円台半ばまで3円以上急落した。79円台は約3カ月ぶり。為替介入は6年半ぶりに実施した昨年9月以降、4度目となる。
31日午前緊急会見した安住淳財務相は「実体経済を反映せず一方的な投機的動きが続いていた。被災者がようやく雇用の場に復帰しようとするときに、工場閉鎖に追い込まれかねず、看過できない」と説明。「納得がいくまで介入する」と述べ、過度な円高に対しては介入を継続する意向を強調した。日本のみの単独介入であることを明らかにし、米欧当局に対しては「事務レベルを含めて連絡を取っている」と述べた。