電気料金:家計圧迫要因に 地域独占で競争原理働かず

2011年10月30日 9時24分 更新:10月30日 14時7分

公共料金の家計に占める割合
公共料金の家計に占める割合

 必要以上に高い電気料金を消費者から得ていた構造をうかがわせる政府の第三者委員会「経営・財務調査委員会」報告書。東電は委員会の指摘に対し「効率化で生み出した原資によって料金値下げを実施してきた」と反論する。

 東電は96、98、00、02年と4度値下げを実施した。07年の新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原子力発電所が停止した際、火力発電の燃料費が増加したが値上げはしておらず、「経営の効率化で値上げを回避する努力を続けてきた」と説明する。

 日本の公共料金は鉄道、ガスなども総括原価方式で決められており、電力業界には「電気料金だけを問題にするのはおかしい」との声もある。

 しかし、消費者庁が実施する公共料金の内外価格差調査(10年度)によると、東電の電気料金を1とした場合の海外の電気料金は、米国0.64、イギリス0.75、フランス0.66。円高の影響もあるが、海外は電力自由化で価格競争が絶えないことも大きな要因だ。東電の年間停電時間は2分と世界で最も短く、「電気の質」の高さは世界トップクラス。一概に「日本の電気料金が高い」と決めつけるわけにはいかないが、地域独占の大手電力会社では競争原理が働きにくいのは事実だ。

 家計支出に占める公共料金の割合を見ると、電気料金のウエートは最も高く、75年に1.9%だったのが10年には3.1%まで上昇している。鉄道やガス料金など他の公共料金が減少傾向にあるのと比べて「家計の圧迫要因になっている」(内閣府)。30年余りで1世帯当たり電気使用量は1.5倍以上に増えており、消費者にとっては電気料金の引き下げは生活に直結した要望となっている。

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