2011年10月28日 11時59分 更新:11月1日 18時56分
警視庁は28日、自転車の原則車道走行を促す総合対策の骨子をまとめた。新たな安全策として、車道での事故を防ぐために車道左側を独自のイラストでカラー舗装し、自転車の通行場所を明示する。来年1月から実施する方針で、全国の自転車事故の4割を占める東京都内での対策は、全国のモデルとなりそうだ。
警視庁は、歩行者と自転車を分離することが事故防止につながるとみて、車道左側走行や歩道での歩行者優先などマナー向上とともに、自転車の通行環境を整備する。具体的には、自転車が通行できる歩道を減らすことや、以前からある自転車専用通行帯(自転車レーン)と歩道のカラー舗装に加え、今年度から車道左側のカラー舗装を始める。
車道のカラー舗装は青色で幅約0.5メートル。歩道のある道路の車道左側に設ける。歩道がある道路は都内に約5740キロあり、このうち歩道の幅が3メートル未満で、車道の幅員にある程度の余裕がある駅周辺などの幹線道路について順次実施したい意向だ。
また、交差点の自転車横断帯について、直進の際に通行しやすいように横断帯を交差点の中央寄りに拡大することも検討する。さらに、車両の通行が少ない経路を示す「安全ルート推奨マップ」の作製を全102署に指示。各署は、管内で交通量の多い場所1カ所を選んで自転車が安全に走行できるルートを検討し、警視庁のホームページに順次掲載する。
総合対策は警察庁が25日に全国の警察本部に通達した対策に基づいている。警視庁は年内にも対策本部を発足させて詳細な推進計画を策定する方針だ。
昨年、全国で発生した自転車と歩行者の事故のうち、都内は1039件で約4割を占めた。今年は8月末までに自転車関連事故で全国の約7%にあたる26人が死亡。6月には、世田谷区の交差点を横断しようとした男性(当時81歳)が男子高校生の自転車にはねられ死亡している。【伊澤拓也】