放射性セシウム:食品規制値、年間1ミリシーベルトに

2011年10月28日 10時57分 更新:10月28日 12時35分

 食品中の放射性物質の暫定規制値見直しに関し、厚生労働省は28日、現在は放射性セシウムで年間5ミリシーベルトと定めている内部被ばく線量の上限について、来年4月をめどに年間1ミリシーベルトまで引き下げ、厳しくする方針を決めた。31日から始まる同省の審議会の見直し作業では、年間1ミリシーベルトを基本として、現在は五つに分けている食品分類の見直しや乳幼児用食品の基準の新設を検討する。小宮山洋子厚労相が28日の閣議後会見で明らかにした。

 内閣府の食品安全委員会は27日、健康に影響を及ぼす被ばく線量について、食品からの被ばくで「生涯累積でおおよそ100ミリシーベルト以上」とする評価書を小宮山厚労相に答申したが、厚労省幹部は「新基準は今のモニタリング検査の実態を踏まえて、より安全に配慮して決めた」と説明した。

 小宮山厚労相は1ミリシーベルトとした理由について、(1)食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の指標が、セシウムで年間1ミリシーベルトを超えないよう設定している(2)最近の食品のモニタリング検査では、セシウムの濃度はほとんどの食品で相当程度低下している--などを挙げ、専門家の意見も聞き判断したと説明した。

 来年4月以降に出荷される農産物については新しい規制値を適用するが、今季のコメなど現在の暫定規制値を使って検査し流通したものについては、来季の新米が出荷されるまで経過措置を設ける。また、審議会では、現在は放射性ヨウ素が検出されなくなったことから、対象となる放射性物質も見直すという。【佐々木洋】

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