「(韓国の)『アラオン号』が本当のサンタクロースだ」
25日午後、南極大陸付近のロス海で韓国初の砕氷船「アラオン号」を見つけたロシア漁船「スパルタ号」の船員たちは、大きな歓声を上げた。今月15日に氷河と衝突して遭難したスパルタ号のロシア人船員32人にとって、救助に訪れたアラオン号は救世主も同然だった。
アラオン号は同日午後4時50分ごろ(以下韓国時間)、ニュージーランドから約2000カイリ(3704 キロ)離れた南極・ロス海南東部の海域(南緯74度55分、西経16度52分)に到着。厚さ900メートルの巨大な氷河と衝突し、座礁した500トン級漁船のスパルタ号は、船体が約2メートル裂けた状態で、10度ほど傾いていた。
スパルタ号の200メートル後方で停止したアラオン号は、すぐに4人のエンジニアをゴムボートに乗せ、スパルタ号の中に進入させた。アラオン号の関係者が本紙に語ったところによると、丸10日間にわたり南極海域で死闘を続けてきたスパルタ号の船員らは、韓国の救助隊員を「サンタクロース」と呼んで喜んだという。
南極ロス海に向け漁に出たスパルタ号が遭難したのは、15日午後11時。氷河にぶつかった直後、甲板まで浸水し、ゴムボートでの脱出を試みた船員もいたという。船舶は約10度傾いた状態で止まり、沈没は辛うじて免れた。ニュージーランド空軍所属の南極輸送機が船に入り込んだ水を排出するためのポンプや食糧などを投下し、最悪の状況は回避できたが、問題はここからだった。陸地から遠い上、気象が急変したため、輸送機での船舶修理道具の提供が難しくなったのだ。
これを受け、スパルタ号はロシア外務省を通じ、遭難現場から約3700キロ離れたニュージーランド・クライストチャーチにいたアラオン号に救助を要請した。遭難の連絡を受けたアラオン号は出航(18日)から7日目の同日に現地へ到着、事故現場から60キロ離れた場所で漂流していたスパルタ号を発見し、救助に着手した。