防衛省は26日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、同県名護市辺野古への代替施設建設の前提となる環境影響評価(アセスメント)の評価書を同日中に沖縄県に提出する方針を決めた。沖縄防衛局の担当者が県庁に出向いて提出する構え。しかし、提出に反対する市民団体などが26日朝から県庁を取り囲んでおり、阻止された場合、同日中に郵送で提出することも検討している。
評価書は約7000ページで、周辺海域への影響や集落への騒音などを予測し、対策の効果を記載。環境への影響は限定的と結論付けているとみられる。沖縄県の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事は評価書の受理後、飛行場部分について45日以内、埋め立て部分については90日以内に意見を提出。防衛省は来年6月にも辺野古沿岸の海の埋め立て許可を知事に申請する方針だ。
これに関連し、藤村修官房長官は26日午前の記者会見で、評価書の提出について「県と沖縄防衛局の事務的手続きと理解している。(仲井真)知事もそう言っている」と指摘し、県側の理解を得られているとの認識を表明。政府は12年度予算案で、沖縄振興予算として前年度当初比27.6%増の2937億円を計上するなど、県側に配慮した。
普天間移設を巡り、日米両政府は今年6月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、辺野古沿岸を埋め立てて滑走路2本をV字形に配置した代替施設を建設する計画を確認した。一川保夫防衛相は10月、仲井真氏、パネッタ米国防長官と相次いで会談し、評価書を年内に提出する方針を伝達。野田佳彦首相も11月のオバマ米大統領との会談で、同様の方針を伝えていた。【朝日弘行、井本義親】
【ことば】環境影響評価(アセスメント)は、環境影響評価法に基づき、開発事業が環境に与える影響を事前に調べる制度。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の代替施設を同県名護市辺野古に移設する計画を巡り、防衛省は07年8月に調査方法などを記した「方法書」を沖縄県に提出して手続きを始めた。しかし、鳩山政権で移設先が再検討され、「評価書」の作成は中断。防衛省は今年6月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で辺野古移設を再確認したことを受け、年内の評価書提出に向け作業を進めてきた。
毎日新聞 2011年12月26日 11時08分(最終更新 12月26日 12時38分)