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国家的な暴力の加害者に与するのではなく、被害者側に心を寄せれる人間でありたい

2011年12月24日 09:00

秋原葉月

村野瀬玲奈さんがこちらで日本政府やマスコミの元慰安婦のハルモニ達に対する態度を厳しく指摘されています。

(引用開始)
これらの記事(※平和の碑~慰安婦像建立を伝えた日本の新聞記事)がなぜ読むにたえなかったか?それは、結局これらの記事や社説が、元従軍慰安婦のハルモニの生の気持ちを何一つ伝えておらず、「平和の碑」をほとんど犯罪扱いし、「日本の政治家も謝罪したし、お金だって出した。だから黙りなさい。日本はもう悪くないし、日韓経済のために韓国は軟化せよ」という一方的なメッセージばかりが前面に出ているように見えるからです。

相手の尊厳を蹂躙(じゅうりん)した加害者側から発せられるメッセージとしてはあまりにも悲しい内容だと私は思います。

元従軍慰安婦のハルモニの話を日本人はまず聞いてほしいと思います。

なぜ元従軍慰安婦のハルモニの話を日本国と日本人(と日本政府とこれらの報道機関)はもっと真剣に聞こうとしないのか、なぜ日本国と日本人(と日本政府とこれらの報道機関)はこの「平和の碑」に込められた思いを理解しようとしないのか、私には本当に不思議です。日本は被害者感情を大切にする国ではなかったのでしょうか?
(引用ここまで)

女性の尊厳を蹂躙しておいて、レイプされる方が悪いと言わんばかりに元慰安婦のハルモニを蔑視する態度。
過去に犯した罪と向き合おうとしないその態度は、過去の犯罪の上にもう一つの罪の上塗りをしているようなものです。

私はふと、日本政府や心ない日本人が元慰安婦のハルモニ達に取る態度にデジャヴを感じました。
これって、沖縄に対して国が取ってきた態度に思い切り共通するものです。

沖縄はずっと日本の捨て石、犠牲になることを強いられてきました。戦後はアメリカとその傀儡日本政府により植民地的扱いを受け続けています。
日本政府がアメリカ様の御意思を忖度して沖縄の人々の声を無視し、基地をごり押ししてきたのはまさにレイプそのもの。
そして95年に起こるべくして起きた普天間での米兵少女暴行事件。
ところが少女に対して「米兵を警戒しなかった少女にも非がある」という典型的なセカンドレイプのせいで、やがて少女は告訴を取り下げることに。
これは、植民地に対する差別的態度、性暴力被害者に対する差別的態度、という元慰安婦のハルモニ達に対する心ない態度と全く同じです。

原発だって原発利権に群がる国と原子力ムラが、貧しい地方の横面を札束ではたいてレイプしたようなものです。
国の福島住民に対する遅々とした救済にはいっこうに誠意が感じられません。原発再稼働や原発輸出の決定は、国が自らの罪に向き合おうとせず、さらに罪の上塗りをする行為です。

自公政権時代に自民党の太田誠一衆議院議員は、早大生らが女子大生を集団暴行した事件について「集団レイプは元気があっていい」と発言、これをうけて当時官房長官だった福田氏は 「裸のような格好をしているのが 悪い(レイプされる方が悪い)」「男はクロヒョウなんだから」と発言しました。

この二人の政治家の発言は、被害者を蔑視しセカンドレイプを行い、それを反省しない加害者の側に立つ日本という国家の本質を現していました。

こういう権力側の加害の尻馬に乗って被害者を叩いてサディスティックな喜びに浸るタイプの人間はこの日本に少なからず存在します。
でもわたしはそういう者達に決して与したくはありません。

激しい性暴力に人間の尊厳を蹂躙されたハルモニ達の側、
ずっと基地を押しつけられ虐げられ差別されてきた沖縄の側、
原発を押しつけられ、その旨味は電力会社が独占するのに、事故の被害は一手に引き受けさせられる福島の人々の側

私はたとえ少数であっても、人権を蹂躙され尊厳を傷つけられた側に心を寄せれる人間でありたいと思うし、そういう努力をしたいと思います。
そして私はこれからもずっと、人を踏みつけその痛みをせせら笑うような加害者を糾弾していくことをやめないでしょう。

今日は傷つけられ虐げられた人々にも、優しいクリスマスが訪れますように。

憲法問題、歴史認識問題などを中心に執筆している。

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