小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトを進めていた宇宙航空研究開発機構(JAXA)相模原キャンパスがあるJR横浜線淵野辺駅(相模原市中央区)の商店街に、探査機にちなんだメニュー「はやぶさグルメ」13種が登場した。今月から本格的に提供を始め、「スペースタウン」の名物にしようとPRに懸命だ。
約100店舗が加盟する淵野辺駅周辺の商店街「にこにこ星ふちのべ協同組合」は、以前から「銀河をかけるまち」を掲げ、街全体を銀河に見立てて地域振興を進めている。商店街にある通りは「カシオペア通り」「こと座通り」などと名付けられ、星座がデザインされたタイルなどで整備されている。
昨年7月、はやぶさのカプセルが同区の市立博物館で一般公開された2日間は約3万人が訪れ、組合理事長の茅明夫さん(62)は「商店街としてはやぶさの感動をより多くの方と共有したい」とメニュー企画を呼びかけた。
商店街の飲食店が独自に、ウナギを探査機ソーラーパネルに見立てた「はやぶさ重」、ロケット打ち上げの際の真っ赤なジェット噴射をトマトで表現した「宇宙煮トマト」などを考案。宇宙にまつわるイメージの外観だけでなく、素材や味にもこだわったドリンクや和菓子も含め13種のメニューが誕生し、今後も増えるという。
居酒屋「梵蔵」では、はやぶさが着陸した小惑星イトカワをかたどった米飯上に探査機をイメージした空揚げを乗せ、ランチ限定の「いとかわカレー」として売り出し話題を集めている。店主の柳原等さん(58)は「このカレーで淵野辺駅周辺を盛り上げ、JAXAも応援していきたい」と話している。【高橋直純】
2011年12月25日