森永製菓は18日、給食事業やレストラン事業などを手掛ける100%子会社の森永フードサービス(東京・港)の全株式を、給食大手の西洋フード・コンパスグループに5月31日付で売却すると発表した。譲渡額は非公表だが、十数億円のもよう。競争激化などで低迷していた給食事業から撤退し、本業の菓子製造に経営資源を集中する。
 森永フードサービスは1960年に設立し、森永グループ各施設の社員食堂のほか、国公立施設などの給食業務を展開。また、東名高速道路の足柄サービスエリア(静岡県御殿場市)をはじめとする高速道路施設でのレストランや、土産物品店の運営などを手掛ける。2011年の売上高は28億9400万円。


 ここ数年の業績は「厳しい状況」(森永製菓)で、赤字体質に陥っていたとみられる。競合する専業各社などに比べ優位性を欠き、本業とも関連性が薄いことから売却を決めた。今後は菓子を製造する高崎工場(群馬県高崎市)の設備増強などに注力する。
 一方、西洋フードは森永フードサービスを「エムエフエス」と改称。西洋フードの幸島武社長が社長を兼務するほか役員陣を派遣して経営を刷新し、好立地を生かして収益改善に取り組む。