第19回Jリーグユース選手権大会(Jユースカップ)の決勝トーナメント決勝が25日、大阪市のキンチョウスタジアムで行われ、名古屋グランパスU−18(18歳以下)がC大阪U−18を2−1で破り、初優勝を飾った。グランパスは決勝弾を挙げたFW高原をはじめ来季トップチーム昇格を決めているMF水野、DF佐藤の3年生がフル出場でチームを引っ張った。
優勝杯が主将のMF奥山(3年)から何人もの選手へと渡り、表彰台では誇らしげなグランパスイレブンが何度も喜びを爆発させた。リベンジの連続だった今大会。準決勝で高円宮杯U−18プレミアリーグで2敗した広島を破ると、決勝では同リーグ1分け1敗のC大阪にも雪辱を果たした。高田哲也監督が「波があった」と振り返った一年を、最後は最高の結果で締めくくった。
この試合、結果的に決勝点となるゴールを奪ったのはトップチーム昇格を決めている高原。1−0とリードした前半39分、FW北川(1年)がMF都竹(3年)のスルーパスに抜け出した瞬間、「絶対に(ボールが)来る」と信じてゴール前に走った。狙い通りのクロスに、168センチの小柄な体をいっぱいに使ってC大阪ゴールにボールを押し込み、貴重な追加点を決めた。
ただ、前半ロスタイムにC大阪に1点をかえされてからは耐える時間の連続だった。C大阪のカウンターに何度もさらされた。後半はGK石井(3年)の2度のビッグセーブに救われた。U−18日本代表の長身センターバックのハーフナー・ニッキ(2年)の好守も光った。高田監督が「トップチームに昇格する3人だけでなくチーム全体がまとまっている」と話した通り、チーム全員で優勝を勝ち取った。
試合後、高原は何度も「チームメートに感謝したい」と繰り返した。有終の美を飾った高校生活から、来季はプロの世界へと飛び込む。「Jのクラブの中でもレベルが高く、選手層の厚いチーム」と、厳しい競争が待ち受けることは覚悟している。しかし、「最後の大会に優勝して臨むのは自信になる」。新たな挑戦に瞳を輝かせた。
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