大阪市の橋下徹市長は23日、市役所で最高意思決定機関「戦略会議」を開き、市の主要事業を、大阪府と新設する「府市統合本部」や24区長でつくる「区長会議」などに仕分けした。この中で橋下市長は、JR大阪駅北側の「うめきた」(梅田北ヤード)の2期開発区域(約17ヘクタール)を森にする構想を実現するため、府と市で用地購入を検討する考えを表明した。購入には少なくとも約650億円が必要で、財源を巡り論議を呼びそうだ。
うめきたは、梅田貨物駅を中心とする約24ヘクタールの区域で、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が所有。旧国鉄の累積債務解消のため売却計画がまとめられた。「先行開発区域」(約7ヘクタール)はオフィスビルやホテルなどを建設中で、13年春にまち開きの予定。
2期開発区域も企業などに売却し、収益施設を建設する構想だが、具体化しておらず、橋下市長は市長選の公約で緑化を掲げていた。この日の会議で「都市戦略として緑化の方向に向かう。金が必要なら、どう生み出すかはこっちサイドでやる」と述べ、用地購入に向けて松井一郎知事と調整する意向を示した。ただ、市幹部は「すぐに財源を出すのは難しい」としている。
また、橋下市長は来年4月に、府警OB約30人でつくる監察部門を設置する方針も表明。市の内部監察や生活保護費不正受給の監視に当たる。【小林慎】
毎日新聞 2011年12月24日 東京朝刊