CHARACTER

イルミネーションがよく見える場所を横目で見ながら
車で俺の家に向かう。

今日はクリスマス。街中が色めきだっている。
道もいつもより渋滞していて、進みが悪い。

「悪いな。もう少し時間がかかりそうだ」

俺がそう言えば、『ゆっくりでもいいです』と
返って来るのは分かっていた。
それでも口にしたのは俺の方を見てほしいからだ。

車のウインドウの外からキラキラと
イルミネーションの光がこぼれ落ちてくる。
それに夢中になって、さっきからお前の視線は外に釘づけで
返事も上の空。

「そんなに夢中になって……飽きないのか?」

『全然です』短く返事をして、また外に視線を戻す。
イルミネーションをとても愛おしそうに見つめるお前が
可愛いと思ってしまうなんて、
俺もお子様との恋愛に溺れている証拠だ。

「なあ……、そんなに面白いか?」

『はい。すごくキレイです』その返事に意地悪く
俺といるよりもか?と聞きたくなってしまう。

信号は赤に変わり、一時停車。
片手でお前の肩を抱き寄せこっちを向かせると、
一瞬のキス。

みるみる赤くなるお前を横目に「お子様」とつぶやいて
お前の文句を聞こえないふりをして
信号が青になると同時に車を進めた。

外はちらちら雪が降り始め、
ホワイトクリスマスになる。
家はもうすぐだ。

家に着くなり強く抱きしめキスをする。
とてもとても長いキスだった。

それでも息苦しくはなく、
もっと触れていたくなるキス。

お前の優しさがそのまま伝わってくるような
幸せな時間。

『いきなりどうしたんですか?』と聞くお前の手首を掴んで
寝室に連れて行く。

そして、キスをしながら重なるように
ベッドに倒れ込む。

「お前がよそ見をしていたバツだ……」

わけが分からないと言う表情を浮かべているお前を見つめながら
天使がいるんだとしたら、きっとこんな姿をしているんだろうなんて
年甲斐もないことを考えていることに気付き苦笑する。

俺の様子にきょとんとしたその表情を赤く染めたくて、
ゆっくりと顔を近づけキスをする。

唇を奪い、舌を絡めればお前は
俺のこと以外考えられなくなるだろう。

美しい月明かりのベールに抱かれて
そのまま俺達は唇を離せずにいる。

「なあ、このまま……」

この問いにはただ、一度頷いてくれれば……
それで、いい。

キス顔

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