生き残るためには逃げることも必要
テーマ:被災地医療関連情報[災害時なぜ逃げ遅れる]心理に「あそび」 鈍る危機感
東日本大震災では、1万5000人以上が津波の犠牲になった。津波警報が鳴っても、すぐに逃げなかった人が少なくない。人はなぜ逃げ遅れるのか。心理的側面から対策を考えてみたい。(佐藤光展)
異常事態を正常内と誤認
「人間は安心して生きるために、心の中に『あそび』の部分がある。ある範囲までの異常は異常と感じず、正常範囲内と受け止めてしまう」。東京女子大名誉教授(災害心理学)の広瀬弘忠さんは、そう指摘する。
この「あそび」を専門用語で正常性バイアス、あるいは正常化の偏見と呼ぶ。小さな物音などにいつも驚いていては神経が持たず、心を守るために必要な反応だが、非常時に危機感を鈍らせてしまう働きもある。
広瀬さんが、テレビ局の控室で若い男性約80人に行った実験では、
控室にいきなり白煙を吹き込んでも、吹き込む速度がゆっくりだと、7割の人が煙が充満しても逃げなかった。
煙は無害だが、少し刺激臭があった。ところが逃げなかった人たちは「いい匂いでお香かと思った」「体によい煙だと思った」などと都合のよい解釈をしていた。また、非常ベルの音、消防車のサイレン、煙の進入、を順番に発生させて反応を見る実験では、一緒にいる人が無反応だと、逃げない人が多かった。
こんな調子では、死者が多数出てしまう。生き残るために、何を心掛けたらいいのか。東日本大震災の見事な避難例をみてみよう。
「地震が起こったら、君が最初に逃げる人になれ」。群馬大学広域首都圏防災研究センター長の片田敏孝さんは、7年前から防災教育に携わる岩手県釜石市で、小中学生一人ひとりに訴え続けた。そして起こった大地震。子どもたちは教師の指示を待たずに、高台に向けて一斉に駆けだした。
途中、小学生と合流した中学生は、低学年の児童の手を引いたり、おぶったりして一緒に逃げた。指定の避難場所も危ないと判断し、さらに高台に上がって助かった子どももいた。同市の小中学生の生存率は99・8%。子どもたちが逃げる姿を見て慌てて避難し、助かった住民も多かった。
片田さんは「正常性バイアスに加え、自分だけが飛び出して何もなかったら恥をかくという思いが、避難を遅らせる。非常時には自分の生存を第一に考え、ためらわず行動する自主性が何より大切。その素早い行動が周囲も救う」と話す。
また、広瀬さんは「行く先々で、避難ルートの確認を習慣づけてほしい」と勧める。例えば、建物内では非常口を必ず確認する。海で遊ぶ時は、高台の位置や距離を気に留めておく。飛行機に乗った時は、緊急時の対応ビデオを必ず見る。
「そうした短時間の確認を事前に行うだけで、いざという時の心身の反応が抜群に早くなる」という。
古今東西、災害で生き残るのは、誰よりも早く逃げた人と決まっている。今、あなたの身に災害が降りかかったら、どんなルートで逃げますか?
防災専門家の判断にも影響
正常性バイアスは防災の専門家の意識も鈍らせる。関西学院大教授の室崎益輝さんは、阪神大震災前、震度5強を想定した神戸市の防災計画を作成した。過去の記録を調べると、震度7の地震が起こる恐れはあったが、「神戸は安全と多くの人が信じており、私も影響された。震度7は私が生きている間はないと思い込んでしまった」と悔やむ。
今後、各地で見直しが進む防災計画や原発の安全対策。正常性バイアスに陥っていないか、作成する専門家自身が、自らに問い続ける必要があるだろう。
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=41997
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引用ここまで
>「人間は安心して生きるために、心の中に『あそび』の部分がある。
>ある範囲までの異常は異常と感じず、正常範囲内と受け止めてしまう」。
>正常性バイアス、あるいは正常化の偏見
>逃げなかった人たちは「いい匂いでお香かと思った」
>「体によい煙だと思った」などと都合のよい解釈をしていた。
救急外来などで、
医者がある訴えや症状を見て、
「これは軽症だ!」
とか
「○○病(自分の専門分野の病気)だ!」
という都合のいい結論に
ついつい持って行きたくなるのも
『正常性バイアス』
なんでしょうねきっと。
医療が崩壊した現場で
「患者さんに必要とされている!」
とか
「俺がこの病院を支えている!」
とか
「忙しいけどやりがいがあります!」
ていうのも、
都合のいい解釈です。
『正常性バイアス』
なんでしょうね、きっと。
>「正常性バイアスに加え、
>自分だけが飛び出して何もなかったら恥をかく
>という思いが、避難を遅らせる。
>非常時には自分の生存を第一に考え、
>ためらわず行動する自主性が何より大切。
>その素早い行動が周囲も救う」
救急外来だと、
「検査して何もなかったら、あとで何か言われるかも」
という思いが、
誤診や地雷を踏む原因になります。
救急外来は非常時の外来。
ためらわずに検査する自主性が
医者と患者を救うとおもいます。
検査自体のリスクが高い場合はともかく。
にも関わらず、
「検査をすればいいってもんじゃない!」
とか研修医に説教している指導医を見ると、
ホント馬鹿だと思います。
じゃあお前が全て責任とるのかと。
この爺医と昔に大喧嘩しました。今の病院にはそんな馬鹿はいません。多分。
医療崩壊だと、
自分だけ辞めて
病院が平然とに診療体制を維持していたら恥をかく。
あるいは
住民や職員に何か言われるんじゃないか、
という思いが、
自分自身の人生崩壊を招くのではないでしょうか。
>一緒にいる人が無反応だと、逃げない人が多かった。
同僚が平然と仕事をしていると、
「あれ?俺が間違ってるんじゃ・・・」と思ってしまいます。
実は仕事を他に押し付けているから平然としているだけかもしれません。
>古今東西、災害で生き残るのは、誰よりも早く逃げた人と決まっている。
ちょっとでも、
この患者ヤバいと思えば即検査、
ちょっとでも、
この病院あるいは地域がヤバいと思えば即退職。
生き残るためには速く逃げることも大切だと思います。
逃げ回るのが良いとまでは言いませんが、
逃げるタイミングを逃せば滅びます。
生き残らなければ、再び戦うこともできません。
を例にあげるまでもなく、
逃げずに戦えば良いというものではありません。
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