2010年07月10日(土)

ゲーム脳以下

テーマ:医療従事者売買

医師不足対策 計画的な人材配置策を示せ(7月10日付・読売社説)

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100709-OYT1T01232.htm


医師不足をどう解決するかは、国民の健康と安心にかかわる重要な課題だ。党派を超えて知恵を集めねばならない。

 参院選で各党は、医療の充実を公約の柱の一つに掲げてきた。だが、医師の増員策が中心で、それ以上に踏み込んだ施策は乏しい。

 民主党は、医師を現在の1・5倍にすることを目標に医学部の学生を増やす、としている。約8500人だった医学部の入学定員を政権1年目に360人増員した、と成果も強調した。

 しかし、入学した医学生が一人前の医師になるまで10年近くもかかる。医師数1・5倍が実現できるとしても、さらに先のことで、現状はそれを待てない。

 ならば、医師不足がより深刻な地域や分野に、集中的に人材を送りこむ政策が必要だろう。

 この点について民主党の参院選公約は言及がない。昨年の政権公約(マニフェスト)には「地域医療計画を抜本的に見直し、支援を行う」と盛り込まれてはいるが、政権党ならば、今後、もっと具体的な政策を示すべきだ。

 自民党は「県境なき医師団」というアイデアを掲げた。1000人規模の医師を国が確保し、医師不足で緊急事態にある地域に派遣する構想である。

 だが、対症療法にはなりえても恒久的な解決策ではない。また、即戦力として応援派遣できる医師を1000人規模で確保することなど、可能なのだろうか。

 やはり、医師の人材配置を計画的に行う仕組みを、早急に作る必要があろう。


 即効性のある方策は、例えば、

卒業後2年間の義務研修を終えた若手医師のうち、

専門医をめざして後期研修に臨む人を、

大学病院など全国の基幹病院に偏りなく配属することが考えられる。


 そして、人材に余裕が生じる大学病院などから、

医師不足の深刻な地域へ中堅・ベテラン医師を派遣する。

その計画を立て、調整する医師配置機関を都道府県ごとに創設する。

求められるのは、そうした根本的な施策である。


 最高裁で8日、過酷な勤務による過労で自殺した小児科医の遺族と病院が和解した。和解条項に、「医師不足や医師の過重負担を生じさせないことが国民の健康を守るために不可欠」という、異例の一文が盛り込まれた。

 政治はこのメッセージを重く受け止めねばならない。社会保障の超党派協議で、()(じょう)に載せるべき議題である。

2010年7月10日01時19分 読売新聞)

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即効性のある方策は、例えば、

>卒業後2年間の義務研修を終えた若手医師のうち、

>専門医をめざして後期研修に臨む人を、

>大学病院など全国の基幹病院に偏りなく配属することが考えられる。


初期研修医でさえ偏ってるのに、後期研修医の偏りを無くせるかな??


>そして、人材に余裕が生じる大学病院などから、


いや、余裕は生じないって。

いままで人不足だったのが少しは解消されるだけだって。


>医師不足の深刻な地域へ中堅・ベテラン医師を派遣する。

>その計画を立て、調整する医師配置機関を都道府県ごとに創設する。


「戻ってきたら助教、講師、准教授、あるいは診療部長、副院長にしてやる。」

という、甘~いラブラブ口約束に騙されて派遣される人もいるでしょうけど、


かなりの割合で、

これを機に大学病院や基幹病院を離れて、

開業や老健や療養型や

その他自分の好きな所に行く医師が続出でしょう。


>求められるのは、そうした根本的な施策である。


で、全く根本的な解決になってないのね・・・

戦略ゲーム以下の戦略で世の中うまくいくとは思えない・・



【どういう病院に医師が勤務したくなるのか、まじめに考えましょう】


・当直負担の軽減

 →当直室のアメニティの充実、宅直取り入れ、豪華ベッド、豪華食事

   コンビニ受診患者の抑制(自己負担金増加など)

   モンスター患者対策(診察室に緊急ボタン設置、抑止力の検討)

   訴訟対策 (病院顧問弁護士との提携、法律や裁判の勉強会)

   他科や同僚に相談しやすい体制

   特定の科に負担がかからないようにする体制

   

・若手なら指導研修体制の充実

  そして、若手をいじめるのではなく守ってくれる上司が必要

  偉い先生こそ医師の社会的地位向上に努めるべき

  偉い先生自らが奴隷になり下がってはいけない  


・人数に見合った診療内容の検討

  内視鏡をしていたら、透析に呼ばれて、病棟に呼ばれて、外来手伝えと言われ、

  さらに救急車も見ろ、なんて病院には誰も行きません。      


・看護師や事務職員に医師の仕事を一部分担

  看護や事務の業務効率化も同時に徹底する。

  もちろん医師の業務効率化も。

  少ないスタッフでも運営できるシステム作り。


・行政・事務主導の病院ではなく、医師・看護師が主導の病院作り

  薬や機械の採用を非専門職が行うなど言語道断!


ハァハァ疲れた・・・きょうはこの辺で。

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テーマ:医療従事者売買
パネルディスカッション (8) 理想の医療、人の心が育てる

読売北海道 医療フォーラム

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=27702

 

田中 医療費増加を掲げる民主党の政権公約について、どう感じるか。

 医療費増やし処遇改善

 片桐 

医療費を増やす方向性は、医師の処遇改善や臨床医学の充実などを図るために良い政策だ。

ただ、地域医療に関するアイデアは出尽くした感がある。

今後は、こうしたアイデアをどれだけ実効性があるものにしていくかが重要だ。


 坂本 

医療体制の根底にある問題を直すには

2、3年かかるだろう。


北海道大学病院と北海道が、

指導医を任期付きの「特任助教」という立場で地方の病院に派遣するとのことだが、公立病院の給与体系で処遇すれば、医師はアルバイトをせずに診察や大学での研究が可能になる。


自治体も業務命令で地方病院に医師を派遣できる。

そうした方法が自治体の計画として普及すれば、

地方勤務を希望する医師は多くなると思う。


 田中 地域医療再生に向け、政府に望むことは。


 小川 地方の勤務医に動機付けを与えてほしい。

そこに赴任して大変な業務をする人たちの立場になって、それなりの処遇をすることが大切ではないか。良い点も悪い点も含めて、

かつての医局制度はそういう役割を果たしてきた


今は大学全体としての計画性が必要だ。順天堂では、医師が地域の要請で赴任する場合、勤務期間を大学でのキャリアとしてカウントし、大学で働いたのと同じ昇給を行う方法を考えている。国としても、ぜひ、そういう体制を整えてほしいと思う。


 田中 財源確保の面で提言を。


 青柳 自己負担が多い現在の社会保険制度は限界に達し、公的資金の導入を望むしかない状況に来ている。公的資金をどこに求めるかだが、国民に「広く薄い」形で求めるのが望ましい。

一つの手法として、消費税引き上げの議論をしてはどうだろうか。


 田中 医師が去っていく医療現場に対し注文は。


 片桐 地域医療の問題や矛盾を誰よりもよく知っているのは医師たちだ。

地方に残るにせよ、去るにせよ、それらを率直に現場から発信することが大切。

医療職が社会的資源であることや、自らが持つ現状を変える力の大きさを自覚してほしいと思う。


 田中 私たち患者側はどんな心構えを持つべきか。


 坂本 人間の心構えでもあるが、患者さんも医療側に対し、「ありがとう」という気持ちを素直に伝えてほしい。しっかりとした国民性の中にこそ、理想の医療を築くことができる。医療とは人類自然淘汰(とうた)への挑戦であり、ヒトのみが有する限界もある崇高な行為といえる。

財源論についても、良質な医療を求めるなら、負担も高まるという認識が必要だろう。


2010年7月7日 読売新聞)

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>片桐さん

>地域医療に関するアイデアは出尽くした感がある。

>地方に残るにせよ、去るにせよ、それらを率直に現場から発信することが大切。


自分とその周囲の人たちだけでは、もう良いアイデアが思い浮かばないということですね、

わかります。


是非このブログにも目を通して頂きたいです。



>坂本さん

>医療体制の根底にある問題を直すには

>2、3年かかるだろう。


すいません、20~30年の間違いですよね?

読売の誤植ということでよろしいでしょうか?

ちなみに相撲協会の根底にある問題を直すのは2~3年ではすまなさそうです。


>指導医を任期付きの「特任助教」という立場で地方の病院に派遣するとのことだ

>が、公立病院の給与体系で処遇すれば、医師はアルバイトをせずに診察や大学>での研究が可能になる。


これは、もしかして、昔問題になった「名義貸し」の合法化版でしょうか?

地方の病院に「常勤」していたら、なかなか研究って難しいとおもうのですが、

常勤医の給料で実態は非常勤ということなんでしょうか?

でもそれだとアルバイトと同じだし・・・


自治体も業務命令で地方病院に医師を派遣できる。

>そうした方法が自治体の計画として普及すれば、

>地方勤務を希望する医師は多くなると思う。


地方勤務と一口に言っても様々です。

てゆうか、ぶっちゃけ貴方行きたいですか?


「内科が5人から0人になったから、お前行け」

「眼科医だけど内科やれ。医者だろ」

「皮膚科だけど透析やれ。医者だろ」

「循環器だけど胃カメラもやれ同じ内科だろ」

↑↑↑

『自治体』というのは平気な顔してこういうことを言いますよ。



本 当 に 貴 方 は 行 き た い で す か ??


>財源論についても、良質な医療を求めるなら、負担も高まるという認識が必要だろう。


よいモノには高い値段がつく。

本来あるべき姿です。

・高度医療の高額化

・選定外療養の拡大

・混合診療の解禁

下の二つは国の負担ではなく患者負担ですから、国には早く認めてもらいたいですね。


>小川さん

>そこに赴任して大変な業務をする人たちの立場になって、それなりの処遇をす>ることが大切ではないか。良い点も悪い点も含めて、

>かつての医局制度はそういう役割を果たしてきた


すいません。意味がわかりません。

田舎から帰ってきたら確実に出世できるとか、そういうことでしょうか???



【結論】

ここに出てくる人の中に、

「今現在も外来・病棟・救急でがんばってます!!」って人いる?

この人たちなりに真剣に考えているのはわかるんだけど、

現場から遠くはなれた弾の当たらない所にいる人たちの話って、

なんか的がずれてるし、リアリティがないんだよなぁ


もっとも、現場にいる人たちは、忙しくて

「フォーラム」には参加できないでしょうけど。

2010年03月16日(火)

医師の地域偏在改善へシステム構築 県 岩手

テーマ:医療従事者売買

医師の地域偏在改善へシステム構築 県 /岩手
http://www.iwanichi.co.jp/ken/item_17355.html

 懸案とされる医師の地域偏在の解消に向け、県は新たに養成した

医師の配置などを調整するシステム

の構築を進める一方、 将来的には

県医療局と保健福祉部の一部組織とによる

一元的な管理体制

を検討していく考えだ。15日に開かれた県議会2月定例会の予算特別委員会の中で、飯澤匡氏(政和・社民クラブ)の質問に答える形で県保健福祉部が示した。
 市町村立病院や小規模な県立病院で見られる医師不足問題について同部では、2年前から岩手医大で始まった
医師の養成に向けた地域枠の設置と奨学金制度の拡充などにより、2016年以降は臨床研修を終えた医師の配置が本格化するため、
地域偏在問題が段階的に改善されていく-と説明。これを踏まえ現在、県地域医療対策協議会の中で、医師のキャリア形成と
地域医療の確保に向けたバランスなども配慮した上で、若手の医師を計画的に配置・派遣するためのシステムについて、
検討作業を進めていることを改めて述べた。
 また、この問題の解決に向けた重要な道筋の一つとして

福島寛志副部長は、「(医師の配置・派遣に関して)医療局と
保健福祉部の保健医療部門とによる

一元化的な管理体制が必要」

と見解を示し、

総合医の育成を目指した

地域病院担い手医師の養成を進める

上でも、県組織の見直しも視野に入れた検討を加えていくことの重要性を説いた。




   

 まあ、この手の話は他県でもよくある話です。

  

 うまくいったという話を

きいたことがありません。

 

「いや!うちの県はうまくいってる!」という方がもしいらっしゃいましたら教えてください。

引っ越します。 

 

県医療局と保健福祉部の一部組織とによる

一元的な管理体制

   ↓

お前ら奴隷はお役人様の言うことを聞いてりゃいいんだよ!

・・・と読める。

 

総合医の育成を目指した

地域病院担い手医師の養成を進める

  ↓

・・・どうやって?

県は農作業のように手間暇かけて医師を養成しようとは思っていないはず。

地域病院に無理やりぶち込んでほったらかして

若い医師を漬物にする気なのか?

 

 

 

  

運悪くこの手のシステムに足を踏み入れてしまった先生曰く、

「県は医者を単なる駒としか扱っていない!!」と憤慨されていましたが、

 

「県は医者を駒どころか

 数字の一つとしか考えていない」

気がしてなりません。



 5-2+1=4 


 以下フィクションです (・∀・)

 絶対にフィクションですからっ!!


~201X年2月~

 

 閉鎖的な寒村にある○○病院の内科医師2名が

 辞意を表明したことが明らかになった。

 村民からの言われ無き中傷により、

 心身共に疲れたことが原因、と新聞で報道される。

 

 A議員 「俺の村の○○病院の内科が5人から3人に減るから、

      なんとか医師を確保してくれ!

      村長にも頼まれてるんだよ~」

 

 B部長 「わかりましたA先生!

      地域枠の医師を何とか派遣できるよう

      全力で前向きに善処します!」

 

~数日後~

 

 C課長 「B部長、そういえば○○病院の内科って

       医師確保できそうなんですか?」

 

 B部長 「なんとかしろって

       A議員がうるさいんだよなぁ・・・・ハァ~」

 

 C課長 「××医大のD先生、

      あれもたしか地域枠でしたよね?

      あれダメですか?」

 

 B部長 「Dはなぁ~去年△△診療所に行け

      って言ったら金払って地域枠抜けたんだよ」

 

 C課長 「そうだったんですか。

      (ああ、だからB部長は局長になれなかったんだ・・・)」

 

 B部長 「あ、そうだ!!Eはどうだ?

      あいつを連れてきて、

      なんとか4人でやってもらおう。」

 

 C課長 「E先生・・・彼女はたしか眼科ですよ!?」

 

 B部長 「別に田舎の病院なんだし、なんとかなるだろ。」

 

 C課長 「でもE先生って来年は県立中央病院で

      後期研修の約束でしたよね。」

 

 B部長 「オマエ何言ってんだよ。あんなの口約束!

      あいつの人事権は県にあるの!」 

 

 C課長 「行くっていいますかねぇ」

 

 B部長 「あいつは若いし、Dみたいに払う金ないだろ、

      あんな小娘どうにでもなる。」

  

~3月某日~

 

 B部長 「A先生!○○病院の医師確保に最大限努力したんですが、

      医師不足の折、医師確保は大変厳しいでしたが、

      4名は確保できました」 (`・ω・´)キリッ

     (本来3人の所を4人にしたんだから、俺もいい仕事したよなwww)

  

 A議員 「5名はやっぱり無理かい。

      でもまあこれで村長に合わせる顔もあるってもんだワハハハ

       来年は5名にしてくれョ!」

       

  

こうして、A議員の政治的な理由で、

B部長は担当する数年を穏便に過ごすために、

最大限努力して

地域枠卒業生を単なる政治の道具にして煮え湯を飲ませましたとさ。


おしまい。

 

 

この記事自体

「県は頑張ってますよ!

(議員の)先生方!」

というポーズかもしれない。


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