横浜M戦に向けて、千代反田(右)らと体をほぐす永井(左)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスは23日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで約1時間の練習を行い、天皇杯準々決勝の横浜M戦(24日・瑞穂陸)に備えた。ドラガン・ストイコビッチ監督(46)は攻撃陣に、21日の柏戦(同)で途中出場ながら2得点と活躍したFW永井謙佑(22)のようなプレーを求めた。
中2日で迎える準々決勝に向けて、恒例のミニゲームは行わず、グランパスは静かに最後の準備を終えた。それでもストイコビッチ監督は、もう熱くなっていた。
「永井はパーフェクトだ。誰とは言わないが、永井のようなハングリーなプレーを見せなければならない」
21日の柏戦に後半から出場し、2点の劣勢をはね返した新人ストライカーを評し「2得点したからではない」と何度も強調しながら、ふがいない主力の攻撃陣の奮起を促した。
「強い意志があった。よく動いた。(相手に)プレッシャーをかけた。これが本当のストライカーだ」と永井の素晴らしい要素を次々に挙げた。
玉田、藤本、小川、金崎ら実績のあるアタッカーがそろった前半はシュート0本。プレースタイルは違っても、精神面で永井を手本にすることを指揮官は求めた。
ひときわ輝いた快足アタッカーは、横浜M戦の先発が有力となった。監督の言葉を聞いた永井は「そうなんですか。PKを外したのに?」と照れ隠ししたものの、表情は和む。PK戦の失敗は、監督の評価を下げる対象ではなかった。
「先発だったとしても、同じプレーができればいい」と永井の気持ちは充実している。
22歳の誕生日を迎えた3月5日、横浜Mとの開幕戦(豊田)で、スピードあふれる突破で同点PKにつながるファウルを誘った。横浜Mの木村監督に「スピード違反」と言わせた衝撃デビュー以来の対戦。厳しいマークが予想されても「スペースが消されても、タマさん(玉田)といい連係が取れれば問題ない」と気にする素振りもない。
ケネディ、闘莉王が故障で離日。阿部も手術を受けたばかりで、田中隼は出場停止。主力が次々に抜けて「我々の戦力は50%。でも、あきらめない」とストイコビッチ監督が言う厳しい状況で、永井が突破口を開く。 (木本邦彦)
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