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2011-10-24 23:44:46

横浜のストロンチウム

テーマ:福島原発
もう1ヶ月ほど前になるでしょうか?
横浜でストロンチウムが結構な濃度で計測されたというニュース。

・・・あぁ、今月の12日か。
なんか今月は忙しすぎて、時間の感覚がマヒしてる。(´・ω・`)

 マンション屋上:195 Bq/kg (236Bq/kgとの記事も・・・どっち?)
  道路側溝  :129 Bq/kg (ストロンチウム89、90の合計)
  噴水の底  : 59 Bq/kg (同上)

なんですかね?
今更ですが、まとめサイト(例によってtogetterです)を見つけたので、少し解説を加えてみます。

その前にストロンチウム90の説明から。
(過去にMixiで全体公開していた日記からまるっとコピペしてますので、少し違和感のある文章です。)

       ここから       

ストロンチウム90は、半減期 29年 でベータ線を放出し、イットリウム90となる。
このイットリウム90も 2.6日 の半減期でベータ崩壊し、安定元素のジルコニウム90となる。

吸入摂取した場合の実効線量係数:3.0~7.7×10^-8(Sv/Bq)
経口摂取した場合の実効線量係数:0.27~2.8×10^8(Sv/Bq)
ストロンチウムはカルシウムに似た性質を持ち、一部はすみやかに排泄されるが、かなりの部分は骨の無機質部分に取り込まれ、長く残留する。

チェルノブイリ原発事故でのストロンチウム90の放出量は、炉内の存在量がほぼ等しいセシウム137に比べて小さかった。
名古屋で採取した大気試料の分析によると、ストロンチウム90/セシウム137放射能強度比は0.002~0.02の範囲に分布していた。
一方で、チェルノブイリ発電所周辺または近隣諸国に降下した放射能に含まれるものの放射能強度比は、上の値より高く0.1に達すると報告されている。
このようなことは高温の核燃料の中からセシウム137よりストロンチウム90が放出されにくいことと放出された放射能の組成が不均一であることを示している。
放出量が少ないとはいえ現在でもその存在は認められ、事故地点の近くでは河川水などのストロンチウム90による汚染が知られている。

・・・要するに、チェルノブイリ事故の際には、セシウム137が1検出された場合、ストロンチウム90は0.002から多くて0.1検出されたようです。(遠くまで飛びにくい?)

プルトニウムやウランのようなアルファ核種は更に検出が難しいのですが、ベータ線も物質の透過度が低く、そのため少し離れた場所から計測しても検知できないのです。

また、ストロンチウム90が崩壊してできた核種も同じベータ崩壊するイットリウム90ですので、同じ理由により検出が難しいのですね。

しかし、上記引用にあるように、セシウム137に対し0.002~0.1の割合で存在する可能性があるのですから、今回の事故についでもストロンチウム90は放出されていると考えるのが自然です。


ところで、ストロンチウム90はβ崩壊核種であるため、外部被曝にはそれほど心配はないと思います(皮膚に大量に付着するなど以外は)。
問題となるのは内部被曝・・・とくに吸入摂取(空気と一緒に吸い込む)よりも経口摂取(食べ物や飲み物と一緒に取り込む)ことです。

ヨウ素131は甲状腺周辺に集まるが、半減期は8日と短い。
セシウムは筋肉他全身に集まるが排出も多く、体内半減期は100日前後と言われている。
(セシウム134の半減期2年やセシウム137の半減期30年に比べ、体内半減期が非常に短い。)

それに比べ、ストロンチウムを取り込んでしまうと、カルシウムに置き換わり骨に長く滞留します。
そこでβ線を放出し続けるので危険、という訳です。

ただし、β線はα線ほど強い作用は持ってはおりませんから、実効線量係数(経口摂取)はセシウム137(γ核種)の 1.3×10^-8 (Sv/Bq)とオーダーレベルではほぼ同等の危険性、となります。
(前述のとおり、長く体内に留まる故、セシウムよりも危険というわけです。)

       ここまで       

今回の場合、いずれも側溝などの泥が溜まりやすい場所で、乾燥した泥に含まれた状態で発見されているようですね。
前述のとおり、ストロンチウム90もその子核種のイットリウム90も、どちらもβ崩壊核種なため、なかなか検出されなかった、というのが真相だと思います。

またβ崩壊核種であることから、この泥を皮膚に塗りたくる、ってなことでもしない限り空気が遮蔽物となりますから、外部被曝(空間放射線量)はそれほど心配することもないでしょうし、泥を食べるなど、体内に大量に取り込むこともないでしょうから、内部被曝も気にするレベルではないと思います。


で、まとめサイトの解説に行きます。

 【誤変換】横浜ストロンチウムが原発20km圏内と同レベル?

テレ朝や朝日新聞系列で、横浜で検出されたストロンチウムが

  原発20km圏内と同レベル!

と一時叫ばれてました。
同レベルの根拠とは 15,340Bq/m^2 や 8,400Bq/m^2という「面積換算」でありますが、そこには極めて初歩的な間違いがあります。

要するに、当初の報道では

 236 Bq/kg × 65(換算係数) = 15,340 Bq/m2

って計算しちゃって、すわ、横浜でも福島並の汚染度!!
みたいなことになっちゃってたようですね。

解説されてますが、この換算係数を使っていいのは、

 1㎡ の土を表面から 5cm まで剥いで集めた土

のみ、ということです。
それは、1㎡×5cmの体積の土の重さが、だいたい 65kg という理由によります。

今回の場合で使っていい換算は以下のとおりだそうです。


極端に小さい値になっちゃいましたね。(^^;

別に東電や政府を擁護する義務もないので、ぶっちゃけ横浜でこのような数値が出たということは、関東一円にストロンチウムは降っていたんだろうな、と。

それにしても泥が集まりやすい場所にまとまった状態でこの数値なので、降下当時にどれくらい被曝したかというと、自然放射線と大差ないと感じています。

そもそも、前世紀には各国でボカボカと大気圏内での核実験を行っていて、それによるストロンチウムは日本全土に降り注いでいる訳で。
環境放射線データベースにてここ5年ほどの神奈川県のデータを抽出すると
67~330Bq/m^2という範囲になります。

ということになるようです。

少々荒っぽい解説になりましたが、今回はこの辺で。
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