中東シリアの国営テレビは、23日、首都ダマスカスで、イスラム過激派によるとみられる自爆テロで合わせて30人が死亡したと報じましたが、反政府勢力は市民への弾圧を正当化するため政権側が仕組んだ自作自演だと非難しました。
シリアでは、アサド政権による反政府デモへの弾圧が続いており、事態の鎮静化に向けて、アラブ連盟の監視団の先遣隊が、22日、首都ダマスカスに派遣され、来週にも到着する50人規模の監視団の受け入れ準備を進めています。こうしたなか、シリアの国営テレビは23日、ダマスカスの2か所でイスラム過激派によるとみられる自爆テロがあり、少なくとも30人が死亡したとして、爆発があった現場の映像を放送するとともに、アラブ連盟の先遣隊が調査に当たると伝えました。これに対し反政府勢力側は、NHKの取材に対し、「アサド政権は、市民への弾圧について、イスラム過激派対策だと主張しているが、今回の事件も弾圧を正当化するため政権側が仕組んだ自作自演に過ぎず、監視団を欺こうというものだ」と述べて非難しました。アサド政権は、監視団の本格的な到着を前にデモ隊や離反した兵士への弾圧を強めていて、人権団体によりますと、22日から23日にかけて中部のホムスなどで政権側の発砲で50人以上が死亡したということです。