イラクの独裁者サダム・フセインの息子ウダイ・フセインと、彼の影武者だったラティフ・ヤヒアの人生を描いた映画『デビルズ・ダブル −ある影武者の物語−』のPRのため来日したラティフ氏が、20日に都内で記者会見を行い、ゲストで登壇したデヴィ夫人がラティフ氏を歓迎した。
本作は、独裁者サダム・フセインの悪名高き息子、ウダイ・フセインの影武者になることを4年間も強要されたラティフ・ヤヒア氏の手記に基づき、フセイン一家の闇と恐るべき真実を描いたドラマ。
本来、先月末に行われる予定だったこの記者会見だが、直前に成田空港でラティフ氏の入国許可が下りず、中止に。今回2度目にしてようやく来日を果たしたラティフ氏は「やっと美しい日本に来ることができてうれしい」と安堵の表情を浮かべた。
“顔が似ている”という理由だけで、高校の同級生でもあったウダイの影武者に仕立てらたラティフ氏は「当時、ウダイ本人から『やらなければ家族が危ない』と脅され、強制的にやらされた。彼らの拷問は、未だに大きな痛みとして残っている。心が病み、拷問のせいで病気になり、医師からはあと2、3年の命と言われている」と衝撃の事実を語った。また、4年間の影武者生活後、西洋へ亡命したことについて「亡命した後もCIAによって拷問を受けたし、僕の手記もフセイン弾劾のために利用された。そして彼らに協力しなかったから、僕には今も市民権がないんだ。残りの人生で、1度は“正義”というものを見たいと、この映画を通して全世界に発信したい」と訴えかけた。
その後デヴィ夫人がゲストで登壇し「セキュリティのために実際に影武者を使った時代があったなんて、とても驚異でした。ラティフさんは4年間恐い目と危険な目に遭われたにも関わらず、とても柔和な方だったので、好印象でした」とコメント。最後にラティフ氏に花束を贈呈し、来日を歓迎した。
『デビルズ・ダブル −ある影武者の物語−』
2012年1月13日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー