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予算案 国債依存度は過去最悪

12月24日 17時24分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

来年度予算案では、国債に依存する割合が49%と過去最悪になり、国の財政状況はますます悪化しています。

政府は今回の予算案の編成で、国債の発行額を今年度の当初予算の44兆2980億円を上回らないようにする目標を掲げ、上限ギリギリの44兆2440億円に抑えました。それでも、国債の発行額は3年連続で税収を上回り、歳入のうち国債に依存する割合も49%と過去最悪となる異例の事態となっています。この結果、国の借金はさらに膨らみ、来年度末の時点で国債の発行残高は709兆円に上る見通しで、国民一人当たりではおよそ554万円の借金を抱えていることになります。また、国と地方を含めた長期債務残高は937兆円に達する見通しです。

国の借金が増加の一途をたどるなか、政府の財政運営は一段と厳しくなることが避けられない状況です。来年度予算案の国の支出である歳出は、年金や医療、介護などの社会保障費と、国債の返済に充てる費用だけで全体の53.5%を占めました。社会保障費は、高齢化の進展に伴って毎年1兆円を超える勢いで増え続けており、新たな政策やほかの分野に十分な予算を充てられなくなる「財政の硬直化」が一段と進む見通しです。その一方で、国の収入である歳入は、バブル崩壊以降、経済は低成長が続いているため、税収はここ数年40兆円前後で頭打ちになっています。さらに新たな財源として期待されてきた国の特別会計や独立行政法人の積立金といったいわゆる「埋蔵金」などの税外収入も3兆7439億円と、今年度の半分程度しか捻出できませんでした。こうした状況を受けて、政府は、安定的な財源を確保するため、社会保障と税の一体改革で2010年代半ばまでに消費税率を段階的に10%まで引き上げるための法案を今年度中に国会に提出することにしており、財政再建に向けた道筋をどこまで示すことができるのかが課題となります。