銚子市議会(宮川雅夫議長)は12月定例会最終日の22日、公設民営方式で再建中の銚子市立病院(白濱龍興理事長兼院長)に対し1億7186万円を赤字補填(ほてん)する病院会計補正予算を9対11の反対多数で否決したが、補填に関連した病院会計への繰り入れを含む一般会計補正予算は賛否同数の議長裁決で可決された。市は地方自治法の規定に基づき、同病院の赤字補填を継続する。
野平匡邦市長は記者会見で「年明けに資金ショートしないよう現実的な対応をした。(医師不足の中)地方での病院経営は難しい。市民が納得できるよう事業計画の見直しや情報公開を経営側に求める。病院が必要かどうか問う住民投票も検討する」と述べた。
同市立病院は08年経営破綻して閉鎖。昨年5月に野平市長が「公設民営」の公約に基づき再開した。
経営は病院再生機構があたり、今春から病床53で入院患者も受け入れるが、平均10人前後と苦戦中。市による赤字補填は今回の補正を含め計5億4000万円に上る。市議会では「見通しが甘い」「経営責任を問うべきだ」との批判が出ていた。【武田良敬】
毎日新聞 2011年12月23日 地方版