福井・おおい町:虚偽予算で原発交付金 25億円受給

2011年12月24日 2時30分

 関西電力大飯原発が立地する福井県おおい町の大型リゾート施設「うみんぴあ大飯」のホテル事業で、同町が虚偽の事業予算を国に示して立地自治体への特別交付金25億円の受給を07年に認められていたことが分かった。運営補塡(ほてん)費を過少計上した実際とは異なる事業予算を提出したところ、国は大幅削減を指示。実際の事業予算では削減が難しいとして業者が応じず、町は一部を別事業に振り替えて国に隠し、総額を指示通り削ったかのように装った新たな虚偽予算で受給にこぎつけていた。「国を欺いて交付金を受給した」との指摘があり、原発関連交付金を巡る議論に一石を投じそうだ。

 うみんぴあ大飯はマリーナや児童館などを備えた大型リゾート施設で、09年に全面開業した。ホテル(5階建て)はその中核施設で、温水プールやレストランを備えている。複数の町関係者や内部資料によると、町は建設費や開業後15年間の運営補塡費など総額約60億円の事業予算を作成し06年に国に提出し、25億円の「原子力発電施設等立地地域特別交付金」を申請。業者が作成した事業予算(総額約59億円)もあったが、提出しなかった。

 町作成予算では、来場者を多く見込んで運営補塡費が少なく、建設費借り入れへの金利は約10億円だった。一方、業者作成予算では、来場者を少なく見込み、独自の資金調達ルートがあるため金利は少なかった。町は業者予算を内諾したが、国には黙っていた。当時、交付金事業の採算に対する審査が厳しく、町関係者は「業者の予算では、採算性が問題視され、交付金が認められない恐れがあると考えたのではないか」と指摘している。【古関俊樹、柳楽未来、遠藤浩二】

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