成城学園中学の卒業生らでつくる混声合唱団「城の音(ね)」の60周年記念音楽会が23日、東京都世田谷区にある同学園の記念講堂であり、草創期のリーダーだった小澤征爾さん(76)が指揮をした。メンバーの平均年齢は73歳。「世界のオザワ」が中学時代に指揮し、今もタクトをふる唯一の素人の合唱団だ。
この日は賛美歌や黒人霊歌など16曲を披露。小澤さんは3分の1を指揮し、残りはバリトンとして学友たちと熱唱した。
小澤さんやメンバーの話では、中3だった小澤さんらがクリスマス会で賛美歌を合唱したのが発足のきっかけ。小澤さんは「ここは、ぼくが音楽家になった原点」と話す。
それから60年。毎年12月に音楽会を開き、小澤さんもほぼ毎年、この時期帰国して指揮をしてきた。今年は1月の腰の手術を乗り越えての出演だった。「友達同士ってこともあるけど皆本当に音楽好きなんだね。還暦めでたい、めでたい」(斎藤智子)