2011年10月25日 23時49分 更新:10月26日 1時18分
【ワシントン平地修】25日のニューヨーク外国為替市場で、円相場が一時、1ドル=75円73銭まで急騰、21日に同市場でつけた戦後最高値(75円78銭)を更新した。欧州の債務危機問題に対する悲観的な見方が再燃したことに加え、米景気の先行き不安も高まり、比較的安全な投資先とされる円を買う動きが一気に広がった。
急激な円高は輸出企業の業績を圧迫し、東日本大震災からの回復途上の日本経済に大きな打撃を及ぼすのは必至。安住淳財務相は最近の円高進行について「行き過ぎた投機的な動きには、断固たる措置を取る」としており、政府・日銀は円売り・ドル買い介入に向けた準備に入った。ただ、日本の単独介入で円高に歯止めがかかるかどうかは分からない。
欧州債務危機対応の包括策を決める26日の欧州連合(EU)首脳会議の前に開かれる予定だったEU財務相理事会が中止になったと伝わり、債務危機問題への悲観論が再燃。さらに、米国で25日朝方発表された10月の米消費者信頼感指数が2年7カ月ぶりの低水準に落ち込み、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加金融緩和観測も拡大し、円が対ドルや対ユーロで大きく買われる展開となった。