2011年10月25日 17時42分 更新:10月25日 20時22分
NHKの経営委員会(委員長・数土文夫JFEホールディングス相談役)は25日、受信料を月額最大120円値下げすることを盛り込んだ来年度から3カ年の次期経営計画を全会一致で議決した。受信料値下げは12年10月からで、テレビだけを対象にした受信料体系となった1968年以降初めて。
値下げ額は受信料収入(約6600億円)の7%に相当。地上波契約で月額1345円のうち、契約者の約8割にあたる口座振替やクレジットカード払いで同120円、コンビニなどの継続振り込みは同70円を値下げする。3年で総額1162億円と試算している。
値下げによる受信料収入の落ち込みで、13年度の事業収支は47億円の赤字を見込むが、契約件数増や人員削減を図り、14年度は10億円の黒字に転じるとしている。
08年に策定された現行計画では、経営委員会が執行部案に異例の修正動議をかけ「12年度から受信料収入の10%還元」が盛り込まれ、当時の古森重隆委員長が「還元は値下げ」と明言していた。
次期計画では「10%還元」は困難と判断し、還元は値下げの7%に、災害時における公共放送の機能強化費0.6%を加えた7.6%にとどまった。
松本正之会長は「経営リスクを勘案すると極めて重い決断」と語った。【高橋咲子、土屋渓】