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※=外部スタッフ
「韓流ドラマや時代劇ばかり」夏休みのアニメ再放送はなぜやらなくなった?
『タッチ DVD COLLECTION 1 』(東宝)
かつて、夏休み時期の子どもたちのテレビの定番といえば、午前中や夕方のアニメや特撮番組の再放送だった。「夏休みアニメ劇場」とか「マンガのひろば」とかいった名称が付けられたりして、なんとなくダラダラ朝からアニメを見る、という子ども時代を過ごした人も少なくないかと思う。
当たり前のように毎年やってくるものだと思っていた夏休みの再放送枠は、いつのころからかほとんど見られなくなってしまった。2011年の夏休みまっただ中の今、首都圏の民放キー局で再放送されるのは、韓流ドラマや時代劇ばかり。子ども向けのアニメや特撮番組の再放送枠は、影も形もない。
夏休みのアニメ再放送、いつごろからやらなくなってしまったのか。平成に入ってからの8月1日(土日だった場合は別の日で)付けの首都圏版の新聞番組欄を確認してみたところ、1989(平成元)年は、『キン肉マン』『忍者戦士飛影』『シティーハンター』『とんでも戦士ムテキング』『ど根性ガエル』などなど、懐かしい再放送番組が数々並んでいた。
翌90年も、『ウルトラマン』『おそ松くん』『ハイスクール! 奇面組』などなどが放映されていて、翌年以降も、この時期は何かしらのアニメ・特撮番組が放映されていた(フジ・テレ朝は80年代半ばから早朝・夕方以外のアニメ再放送はやっていない)。日テレなんて、93年から96年まで4年続けて『タッチ』やってるし。
この過去の「8月1日時点での再放送」調査に限っては、97年にTBSが放送した『ジャングル大帝』『B'T-X』を最後に、民放キー局での午前中・昼下がりの子ども向けアニメ・特撮再放送は姿を消している(夕方に『美味しんぼ』や『ルパン三世』をやっている年もあるけれど)。
2002年から05年までは日テレでまたしても『タッチ』が復活しているが、それを除けば2000年代に入ってからは、ほとんどアニメの再放送はやってないと言っていい。代わって『キッズ・ウォー』や『渡鬼』(共にTBS系)など人気ドラマの再放送をやっていたり、06年には『ちい散歩』(テレビ朝日系)や『ラジかるッ』(日本テレビ系/現在は『PON!』)、『スッキリ!!』がスタートするなど、現在につながる午前の人気情報番組が登場してきている。さらに04年に日テレが『ドラマチック韓流』(現在は終了)を、10年にはフジテレビが『韓流α』をスタートさせている。
夏休みの子ども向け再放送、なぜやらなくなってしまったのか。テレビ番組の構成作家は言う。
「単純に一言でいうと、視聴率が取れないということになってしまいますね」
アニメ番組自体に視聴率が期待できない時代だというのである。
「一部を除くと、ゴールデンでもアニメはほとんどやらないということなどからも分かる通り、テレビ全体で見るとアニメは下降線をたどっているんです。テレビは子どもよりも、40代50代が見るものにどんどん変わってきていますね」
数字が取れないと、やはりいいスポンサーもついてくれなくなるわけで、
「テレビは結果を見てやる側面が強いので、その傾向は強まっていきますよね。ただ逆に、たまたまアニメ再放送をやって、たまたま結果がよかったらまた流れ始めるのかもしれませんしね」
子ども自体に、ゲームや塾の夏期講習など、テレビ以外の選択肢が増えたことも手伝っているとのこと。
また、こんな理由もある。あるテレビ関係者はこう言っている。
「近年の人気アニメは、どこかの玩具やゲームメーカーとがっつり組んでやっているものが多いですよね。古い物を流しても、そのメインスポンサーの売り上げにつながらない。権利も複雑になってきていることと合わせて、放送するうまみがないんです。例外的にいえば、テレビ局がからむキャラクターイベントや映画をやる場合。イベントの宣伝効果を狙った放送ならあるかもしれませんね」
朝からダラダラ再放送のアニメを見て過ごす夏休み。そんな体験は、今の子どもたちはできない、または必要ない時代になっているようです。
(文=太田サトル)
夏休みの定番だったのにね。
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