名古屋−柏 後半32分、ゴールを決めガッツポーズする永井(佐伯友章撮影)=瑞穂陸上競技場で
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リーグ戦で2連覇を逃して今季2位の名古屋グランパスが、同優勝の柏を3−3からPK戦の死闘の末、準々決勝へ進んだ。グランパスは2点を先制されたが、後半に永井と増川のゴールで同点。延長戦で1点ずつを取り合い、PK戦は10人目までもつれたが、9−8で制し、4大会連続8強入りを果たした。グランパスは24日の準々決勝を横浜Mと瑞穂陸上競技場で対戦する。
◆名古屋3−3柏
PK戦も一巡して、10人目のダニルソンが足を引きずりながらも左足で決めると、6人目と10人目のPKを止めたGK楢崎の周りに歓喜の輪が広がった。途中出場で2得点を挙げたヒーローの永井も恥ずかしそうにその輪に加わった。
永井の25メートルの豪快なミドルシュートが、完全に柏に傾いていた主導権を引き戻した。「シュートコースが空いた」と見ると永井はジャンプ一番、右足を振り抜いた。後半32分、1点返して流れを引き戻した。
延長前半6分には勝ち越し弾。「仕掛けやすいボールだった」という藤本のボールを受け、DFを抜き去り、GKと1対1に。「GKが出てきた。浮かさないと入らない」ととっさの判断で放った浮き球のシュートが無人のゴールに飛び込んだ。
0−1とリードを許した後半開始、ストイコビッチ監督から「点を取ってこい」と送り出された。前半はベンチで戦況を見つめ、「動かないと点が入らない」と得点以外でもゲームを動かし続けた。途中出場とはいえ、延長前後半までJ1王者の柏をかく乱しまくった両足は悲鳴を上げていた。楢崎が好セーブで防ぎ、決めれば勝利を決まった6人目でPKは外した。「足がつったのは関係ない。練習します」。一番に反省の弁が飛び出した。
ピクシー監督から試合後に真っ先にかけられた言葉も「PK決めろ」。ヒーローは苦笑いしながらも、J1では1分け1敗、最終的に優勝をさらわれた柏にリベンジとなる勝利に大きく貢献した。「絶対に勝ちたい」という強い思いが実った。永井は「次もホーム。たくさんのサポーターと勝利を分かち合いたい」と、すでに3日後の準々決勝へと気持ちを向けていた。 (伊東朋子)
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