石巻 浸水域も住める復興計画
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石巻 浸水域も住める復興計画

12月22日 20時4分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

津波の被災地の中で最も多くの犠牲者が出た宮城県石巻市の復興計画が、地震から9か月余りたった22日に決まりました。防潮堤やかさ上げした道路などで二重の堤防を築き、住めない地区と住める地区を分けましたが、被害を受けた住宅が多いため、津波に浸水した場所でも、そのまま住めるとされる地区が広い範囲で設けられました。

死者・行方不明者が3800人以上に上り、およそ2万棟の建物が全壊した石巻市の復興計画は、22日に開かれた市議会で可決されました。計画では、海岸や川沿いの堤防を作ったうえで、5メートルほどにかさ上げした道路をおよそ10キロにわたって設け、二重の堤防とすることで津波を防げるとして、その内陸側は「可住地区」、つまり住むことができる地区としました。可住地区には津波で浸水し、犠牲者が出たり、住宅が全壊した地域も含まれますが、住めるとされたために安全な内陸に移転しても国からの補助は出ないということです。住民からは堤防で津波が防げるのか不安を訴える声や、同じように大きな被害が出ているのに補助が出ないことに対する憤りの声が出ています。一方、住めない地区と定められたかさ上げ道路より海側や、平地が少ない半島部では、内陸部や高台への住民の集団移転を進めることが計画に盛り込まれました。復興計画が決まったことについて石巻市の亀山紘市長は、「防潮堤とかさ上げした道路で市民の命を守ろうという計画ですが、津波はその時々で勢いや力の強さが違うので、そうしたハードに頼るだけでなくすぐに逃げるという防災教育も合わせて徹底していきたい。本格的な復旧・復興に向けてこれからが勝負なので、気を引き締めて取り組んでいきたい」と話しています。