【カイロ=花房良祐】フランス与党・国民運動連合(UMP)が国民議会(下院)に提出した1915年の「アルメニア人虐殺問題」に関する法案を巡り、トルコが対仏批判を強めている。ギュル大統領は20日、声明で「トルコに対する偽りの非難だ」と激しく反発、法案の取り下げを迫っている。仏下院は22日にも審議。可決すれば両国関係の冷え込みは必至だ。
法案は1915年の旧オスマン帝国によるアルメニア人に対する「ジェノサイド(民族浄化)」を公の場で否定すれば禁錮・罰金刑を科すという内容。フランスでは来年4月に大統領選挙が迫っており、50万人規模とされる仏国内のアルメニア系フランス人の支持を得る狙いとの見方がトルコで浮上している。
トルコ政府筋はAFP通信に対し、可決すれば政治・経済面での対抗措置を実施する考えを明らかにした。トルコが進めるインフラ整備などで仏企業を除外することなどを検討しているという。
一方でトルコは世界貿易機関(WTO)に加盟し、欧州連合(EU)と関税同盟を締結。国籍による企業の差別は協定違反になるとして、仏政府は静観している。また法案提出は与党UMP主導で仏政府は関与していないという。トルコでは多数の仏企業がビジネスを展開し、経済的な関係は深い。
エルドアン首相は17日、記者会見でフランスによる旧植民地アルジェリアでの虐殺問題に触れ「自らの血塗られた歴史に光を当てるべきだ」と猛反発。トルコの野党も、国会に同問題を認定する法案を出した。
フランス下院は2001年にもアルメニア人の殺害を「ジェノサイド」と認定。またサルコジ大統領はトルコが目指すEU加盟に反対する急先鋒(せんぽう)でもあり、「アルメニア人虐殺問題」で両国関係が一層こじれそうだ。
ギュル、エルドアン、サルコジ、トルコ、UMP、ジェノサイド、AFP通信
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