3号機冷却装置 相談せず停止
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3号機冷却装置 相談せず停止

12月22日 4時57分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所の3号機で、水素爆発を起こす前日の3月13日に、現場の運転員が非常用の冷却装置を所長らがいる対策本部に相談せずに停止し、原子炉を冷やせない状態が7時間近く続いていたことが、政府の事故調査・検証委員会の調べで分かりました。

福島第一原発では、1号機に続いて3号機も原子炉が冷却できなくなってメルトダウンを起こし3月14日に水素爆発しました。政府の事故調査・検証委員会の調べでは、この前日の13日未明に、3号機の運転員が原子炉を冷やす「高圧注水系」という非常用の冷却装置のバッテリーが切れることを懸念して、消火ポンプによる注水に切り替えようと装置を停止したということです。ところが、注水ができるように原子炉の圧力を抜くための弁の操作に必要なバッテリーを用意していなかったため、弁は開かず、再び冷却装置を稼働させようとしましたが、動かなかったということです。このあと、3号機では車のバッテリーを集めて弁を開け、消防ポンプによる注水が行われましたが、原子炉の冷却が7時間近くにわたって中断され、その後メルトダウンに至ったということです。装置の停止が対策本部に伝わったのは停止から1時間以上あとだったということで、事故調査・検証委員会は、冷却装置を止めるという重要な決定を事前に所長らがいる対策本部に相談しなかったことは問題だったとみています。福島第一原発では、1号機でも、非常用の冷却装置を運転員の判断で停止したのに対策本部に伝わらず、所長らは冷却装置が動いていると誤って認識していたことが明らかになっています。こうしたことから事故調査・検証委員会は、安全上重要な情報を現場と対策本部が共有できなかったことが事故対応の遅れにつながったとみて、今月26日に公表する中間報告で指摘することにしています。