回答受付中の質問
数学カテゴリと迷ったのですが、こちらで質問させていただきます。
とある掲示板で、小学2年生の算数の問題が話題になっていました。
「子供が5人います。お菓子を2個ずつ配ると、お菓子は全部で何個になりますか?」
回答は以下のとおりだそうです。
2×5=10 ○
5×2=10 ×
元の掲示板では、その様に教える様に指導されているとのことですが
下の式が×になる理由がわかりません。
どの様な理由によるものなのでしょか?
よろしくお願いします。
投稿日時 - 2011-12-18 09:15:41
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何回か回答したtosa-bashです。
困りましたね。ここは議論する場ではありませんし、私もそんなつもりもありません。ですが、私が回答した内容が私の意図した理解を得ていませんので、もう少しだけ伝える努力をさせてください。
これで力が及ばなくても最後にします。
私は「乗法ではずっと被乗数・乗数の順番は決まっている」と言っているのではないのですが…。これは「逆に書いたら誤答にすべきか否か」が関係しているので、一般的にこの議論は感情的に難しくなっていますが、私は基本的には「Y=aX」のaとXを逆に書いたことを「どう扱うか」と、最終的にはそんなに差はないと思っています。
私は「新たに学ぶかけ算は、どんな知恵で成り立っているか、どう子どもたちに伝えていくか」という乗法指導初期の段階、導入段階をもとにして回答してきたつもりで、算数・数学の学習が進み抽象的になったときの乗法の「乗数・被乗数の順番」まで固定的に語ったわけではありません。
算数の中にある人間の知恵・見方・考え方を、どう子どもたちに伝えていくかが多くの小学校教員の課題で、特に私にとっては、子どもたちの中にある感覚や自然に発している言葉が私の関心事・研究テーマになっています。
言語表現の件ですが、確かにsekibunnteisuu様がご指摘のように、日本語での表現も一つではなく、様々な表現があります。しかし、長年子ども相手に仕事をし、数多くの子どもたちに接していると、その成長段階にある子どもにとって、どのような表現が自然に多く出てくることで、一般的かを感じてきます。それを基本にしているのです。少し極端な例になりますが、例えば50程度まで物の数を数えることのできる幼児の例をみてみましょう。おはじきを数えていて、自分の数えることのできる範囲を超えた時、あきらめる子どももいますが、中には3個とか、自分でパッと把握できる数でまとまりを作っていく子どもがいます。そんな子どもに「おはじきはいくつある?」と問うと、「分からない」という子どもたちの中に「3つが○つある」と答える子どもがいます。それが自然な表現だと思います。「調査」というほど多数ではありませんが、そういう表現との出会いの経験が私の基本です。
もう一つの側面です。例えば8個のおはじきは、大人でも「一目で見て8個と分かる」ことは困難で、数えて確かめることになります。でも、2個ずつのまとまりが4つあったら、2年生の子どもたちでも大多数がパッと見るだけで絵に描いたりして再現でき、九九を知らなくても総数まで数えて分かります。それは「2が4つ」と覚えることができるからです。だから、そんな覚え方をもとに「2が4つ、これは便利な見方だね。それを算数の世界では2×4と書くのですよ。」と位置づけます。そして「2が4つ、2×4と同じように表せるものを探してみよう」と進めるというのが私の中にある「かけ算導入」の流れです。
そんな見方が「かけ算にかかわる人間の知恵」だと思います。そういう知恵・見方・考え方を伝えるために、導入段階では「基本文型として順番にこだわる」のだと、私は思っています。
今回のお菓子の問題で、数字の出た順番通りに立式したことを「○にするか×にするか」は私も問題だと思っていますが、「是か非か、一言問うか放置するか」に関して私の考えていることの根本は以上のようなことです。
投稿日時 - 2011-12-20 23:12:38
私も算数が専門なわけではないので、途中からよくわからなくなってきましたが…。
2年生という発達段階も関係しているのかなぁと思いました。
つまり、4年生なら理解できることでも、2年生には理解できないのだと。
4年生の算数で出てきたと思うのです、確か。
例えば、
「100円の鉛筆5本と、50円のけしごむ5個を買う場合の値段の合計」
というような問題です。
図で考えると、(○=鉛筆、×=けしごむ)
○○○○○
×××××
なら、
縦2個をワンセット(鉛筆一本+けしごむ一個)という考え方でもいいし、
横5個(鉛筆5本、または、けしごむ5個)をワンセットという考え方でもいいわけで。
「いろいろな"ワンセット"が作れるね、いろいろな考え方があるね」
というような方向で教科書には書かれていたと思います。
つまり、2年生の段階では、
「2個ワンセットを5人に配る」というワンパターンにとどめ、
「1個ずつ配って、再度配る」という「別の見方」はあえてさせないのだと思います。
混乱させないために。
「5つの2」が理解できるためには、その「2」がバラバラのものではなく、「ワンセットだ」という意識が必要ですが、
そのようなイメージは、2年生にとっては「抽象的」であり、
「2が5つ」の方が、
2年生にとってイメージしやすい、のではないでしょうか?
ではなぜ、
「5つの2」をバツにするかといったら…これは想像ですが、
頭の良い子たちはいいのです。でもそうでない子たちにとっては、
「どういうイメージかなんてどーでもいい、問題文も読まなくていい、問題文に出てくる数字だけ拾って掛け算すりゃーいい」
なんてことにもなりかねないからかな?と思います。
投稿日時 - 2011-12-20 21:34:23
元の掲示板でも回答しましたが、かけ算導入時には、何がいくつ、というかけ算の意味を理解させるため、理解しているかどうかを判断するため、という教え方の1つの方法が、「そうでなくてはならない。そういう決まりがある」と勘違いする人が出てきているのが現状です。
仮にかけ算に順序を固定することで理解が促される・理解しているかどうかを判断できると仮定しても、「答えの単位が左側」という指導する人もいます。この「答えの単位が左」で理解とは無関係に教師が望む順序にできるのだから、これは教えている人自身が、順序を手段でなく目的と捉えている証拠です。
さらに、「答えの単位は左」は、「順序を正しく書く」のための手段、つまり「手段の手段」ですが、これさえも本当にそういうルールがあると思い込み、「5×2だと10人になるから間違い」などという教師もいます。http://suugaku.at.webry.info/201102/article_2.html
>小学校教員
>抑々 4 × 5 には, 4 の五倍という意味があります。 4 人の五倍では答が 20 人になってしまいます。
かけ算を理解したら、カード式の分配や格子状に並べることで(1あたり)と(いくつ分)などの区別不可能であり、あくまでこれは最初の導入段階の方便に過ぎないと理解するはずです。ところが、教えている人自身が「順序がある」「答えの単位が左側というルールがある」と思い込んでいるわけです。また大人になっても「正しい順序がある」と頑なに信じている人がいます。
このことは、「かけ算に順序を固定することで理解が促される・理解しているかどうかを判断できる」が甚だあやしいことを示しています。
ただし、順序があると信じているかどうかはで、かけ算を理解してるかどうかは判断できると思います。
順序があると信じている人はかけ算を理解していません。
参考URL:http://suugaku.at.webry.info/201102/article_9.html
投稿日時 - 2011-12-20 15:34:08
tosa-bashさんのような掛け算に順序があるという考え方は支持できません。わたくしは、算数教育を専門に勉強したわけではありません。しかし、小学校で掛け算の順番を強制された苦しい時期から今やっている大学レベルの数学まで、掛け算の順序を正当化するような理論にふれたこともなければ、順序が必要だと痛感した実体験もありません。小学校の間はテストで不正解になるのが分かっているので順序があると信じるふりをしていましたが、中学校以降はそのような偽装をする必要はありませんでした。それでも割り算に「順番」があることも、差が負数になる引き算も、行列やベクトルの外積で交換法則が成立しないことも問題なく理解できたものです。
さて、数教協や教科書6社の提唱する「内包量(単位あたり量・1あたり量)×いくつ分の量」なる順序に賛同する根拠としてtosa-bashさんは以下のように述べておられました(7番)。
<引用>書き抜かっていました。「5×2=10」を×にする理由は、式が「日本語を算数の言葉に翻訳したもの」だからです。
日本語の問題文を日本語として簡略化すると「2が5つ」「2の5倍」です。それを「日本の算数の言葉(式)」に翻訳して「2×5」になる、ということです。国語で文法を教えると同じように算数の言葉の文法を教えているのだと、私は思っています。</引用>
それでは伺いますが、同じ問題文を「5つの2」または「5倍の2」と簡略化し、「5 x 2」と「翻訳」してはいけない理由は何でしょうか。「5つのバナナ」や「5倍の容量」という表現が日本語の文法に照らして適正である以上、このような簡略化を否定することはできず、「5 x 2」という「翻訳」も正当なはずです。もちろん交換法則によって「5つの2」を「2 x 5」に「翻訳」することもできます。つまり、ある問題文を簡略化する方法は1通りではありませんし、簡略化したものを「翻訳」で数式に表現する方法も1通りではないのです。現実と数式は一対一に対応するものではありません。現実のとらえ方はさまざまですし、そのとらえ方を表現する数式もさまざまです。f272さんが8番で紹介された学習指導要領が「一つの数をほかの数の積としてみることができるようにし,数についての理解を深めるとともに,数についての感覚を豊かにする」とはこのようなことを理解する能力を養うことを目標にしていると思われます。
算数教育の採点方針はこのようのものなのですね(rosavermelhaさん、5番)。
<引用>算数を受験だけではなく、実生活で使えるように、
ただテストの点数をとるためだけのテクニックよりも、
なぜそのような式になるのかという、数学的思考を小学校では大切にしているのだと思います。
実際、小学校のテストでは、式で5点、答えで5点というように配点がされていて、
「答えだけ合っていればいい」というわけではありません。
(教師のやり方という個人レベルではなく、教科書を作っている文部科学省、つまり国の方針が)</引用>
式によって、どうすれば問題を解けると考えているかというその考え方を見、答えによって、実際に正しく回答できるかをみているようです。いま述べたように式からは<考え方>は読み取れないのですが。文部科学省までこの様に考えているとするなら、残念ながら掛け算の順序は式から無理やりに<考え方>を読み取る簡便な方法として現場では採用され続けることでしょう。足し算ではなく掛け算で式を書いた時点で考え方は合格とするか、より精密に考え方を測定する方針をとるなら、図表や文章で式を補わせるようにしなければならないと思われます。
百歩譲って「内包量(単位あたり量・1あたり量)×いくつ分の量」なる順序には掛け算の学習の最初期や算数の苦手な児童にとって、混乱を防ぐ効果があるとしましょう(本当はそのような効果についての実証研究があればいいのですが)。それでもある程度掛け算に習熟した段階で「今まで掛け算に順序があるとして施行してきたローカルルールは方便だったの。これからは不正解にしないから自分のやりやすい方法でやってね。グッドラック」といったほうがいいでしょうね。
割り算の導入に役立つから順序の概念を掛け算で教えておくべきだという意見もあるようですね。掛け算それ自体にとって必要ではない概念です。また、引き算に順序が必要だからといって足し算で順序を適用するような指導方法はないのですから、割り算の導入に掛け算の順序も必要ないでしょう。
投稿日時 - 2011-12-20 11:26:31
ANo.9です。
ANo10様のお答え、勉強になりました。
.
>「いち単位あたりの量」×「いくつ分」にこだわって指導するようになったのは数教協の影響が強いというのが定説
確かに「かけ算が新しい量を生み出す」として「内包量(単位あたり量・1あたり量)×いくつ分の量」というかけ算の見方を提唱したのは数教協で、教科書各社は時期の差はあれ、その見方を取り入れてきました。ただ、
>遠山先生でさえ掛け算の数値の順序にはこだわっていませんでした。
は不勉強のため、コメントできませんが、
>「いち単位あたりの量」×「いくつ分」という順序で指導することにして,でも何をいち単位の量とみるかについてはいろいろな考え方があってもよいとしていました。
は、数教協には内包量・単位あたり量・1あたり量の違いを含め、基本的な確固たる考え方があります。いろいろな考え方でよいにせよ、基本的に譲れない部分があります。だから、(場面にもよりますが)「2×5」と「5×2」は相容れる状態ではありません。だからこそ、
>それが指導書を作る人の間では,かける数値の順序を固定する方法に
なったのではないでしょうか。
>掛け算の導入時には順序を固定していました
>すぐに交換法則について言及し順序を固定するのは単に指導上の便法にすぎないことは明確でした。
お説の通りだと思います。所詮かけ算も基本演算の一つ、答えを求める道具です。九九は歴史的には「5×2」のように被乗数が大きい場合は「2×5」になおして唱える「順九九」が多く用いられていて、その指導方法については「順九九か総九九か」の論争が明治から昭和初期まで続いていたとのこと、「被乗数先唱か乗数先唱か」という問題まで議論されていたそうですから、「どっちが先でも同じ」という感覚は私たちのDNAにすり込まれているのかもしれません。だから、
>掛け算には正しい順序があるとするものであって常識に従っている大人には到底受け入れるいれることはできません。
と、感じる方が多いのも当然だと思います。
ですが、小学校の現場では、「日本語で表された日常的な状況を、算数国の言葉に翻訳する」という見方も伝えるということで、かけ算の導入段階では「正しい順序」にこだわっているのです。ですが、同じ小学校でも6年生の比例の学習あたりになると「1あたり×いくつ分」の順番には、必ずしもこだわれませんが…。
ここまで書いていながら言うのも変ですが、これは質問者様への回答とは思えませんから、削除されるかもしれませんね。
投稿日時 - 2011-12-19 23:46:56