君が代斉唱起立わずか


広島・世羅高 国旗・国歌法施行後初の卒業式

世羅高校の卒業式。日の丸がステージに掲揚され、君が代の斉唱も行われた=1日午前10時10分、広島県世羅町


 卒業式での国旗掲揚、国歌斉唱をめぐって昨年2月、県立「羅高校の石川敏浩校長=当時=が自殺した広島県で1日、国旗国歌法制定後初の卒業式が、ほとんどの県立学校で行われた。昨年は国歌斉唱が行われなかった世羅高校でも国歌斉唱が実施される一方、マスコミ取材に神経質になる学校も。校長や県教委関係者からは「国旗国歌をめぐる混乱から“卒業”したい」との声が上がっていた。

 世羅高校の卒業式は午前10時から体育館で行われ、開式の辞のあと、君が代を斉唱した。保護者はほぼ全員が起立して歌ったが、教職員は一部起立、生徒で起立したのは在校生の数人だけと、“傷あと”の大きさをうかがわせた。

 このあと、各科の卒業生代表に田辺康嗣校長が卒業証書を授与した。日の丸はステージに三脚で掲出。昨年は式開始直後にどんちょうが降ろされ、式終了前まで日の丸は見えない状態だったが、今年は国旗が自然と目に留まった。式に参加した保護者の男性(53
は「もともと君が代斉唱、日の丸掲揚にこだわっていない。学校ではいろいろあったようだが、やるのが普通」と話していた。

 一方、広島市中区の県立広島国泰寺高校には、2年生による合唱団が登場。卒業生と一緒に校歌と国歌を大きな声で歌った。県公立高校長協会会長も務める県立広島国泰寺高校の岸元学校長は「国旗掲揚、国歌斉唱は国際化時代のマナーとして指導する必要がある。式典での国旗国歌をめぐる混乱は、この卒業式で“卒業”したい」と話した。

 また、広島県で主流の“三脚方式”に対して「国旗が隠されている」など批判も多いことから、同校をはじめ、広島市内を中心に複数校では、国旗がステージ正面に大きく張り出された。

 広島県教委などによると、今年はほとんどの県立学校で君が代斉唱、日の丸掲揚が行われた。県教委は実施状況などについて調査することにしている。


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