呉市は21日、来年4月からバス事業を広島電鉄(中区)に移譲するため、バス事業の廃止届を国土交通省中国運輸局に提出した。同時に広電は、路線を引き継ぐための許可申請を提出した。県内唯一の公営バスは、70年の歴史に幕を下ろすことになった。
この日、呉市から磯本勝・同市交通企業管理者、広電から岡本繁取締役バスカンパニープレジデントが、西区観音新町4の同局広島運輸支局を訪れ、廃止届と引き継ぎの許可申請の手続きをした。広電の事業計画に問題がなければ、2月ごろには許可される見通し。
呉市は1941年11月に民間のタクシー会社を買収してバス事業を始め、翌42年12月に交通局が発足した。広電の岡本取締役は「70年の歴史を引き継ぐ。公共交通機関を守っていくのが最大の使命。安心安全をモットーに、利用客に喜んでもらえるように事業経営をやっていきたい」と話した。【寺岡俊】
毎日新聞 2011年12月22日 地方版