2009年6月25日

森本　篤徳＝日経パソコン

　電車やバスなどの公共交通機関を使って通勤・通学するには定期乗車券が欠かせません。たいていは切符より安上がりですが、週に3〜4日の出勤でもオトクなのだろうか、大型連休にまたがる定期を買うと損しないのか、などと心配になることもあります。

　計算してみましょう。まず毎回切符を買って乗る場合の運賃と、定期券の運賃を調べます。駅すぱあとや乗換案内など、インターネットのサービスを使えば目的区間の料金が分かります。

　調べた料金を図1シートの3行目に入力してください。図1の例では1カ月定期の料金は通常の片道料金39.2回分、往復で19.6回分、週当たり4.5往復という結果になりました。交通機関を利用する頻度がこれよりも高ければ定期を買えばいいし、そうでなければ切符を買った方がいいということが分かります。

図1　乗車券の片道料運賃と、定期券運賃を調べて入力する。すると定期券運賃が乗車券運賃の何回分か、月や週当たり何回程度乗車する運賃に相当するかを計算する

　片道の計算をしているのは、送迎バスなどの別の手段と併用して、対象の交通機関は片道だけ利用する場合を計算しておきたかったためです。

　定期券の割引率は利用する交通機関や区間によって大幅に変わります。ご自分の乗る区間の料金を入力してお試しください。図1の例だと週に4日しか使わないのなら切符を買った方がトクという結果です。ちなみに私の通勤経路ならば週に4日でも定期券の方がトクでした。

出勤日数を求める

　図1の表は大まかな計算です。「連休をまたがる定期券は損にならないか心配」という声に応えて作成したのが図2のワークシートです。

図2　定期券の開始日を入力すると有効期限と、その間の出勤日数が求められる。定期券運賃が乗車券運賃の往復何回分かという数値と比較することで定期券を買うとトクかどうかが分かる

　運賃を調べて入力するところまでは図1のシートと同じです。図2のシートでは定期券の開始日をB7セルに入力します。すると8行目に定期券の有効期限が表示され、9行目には定期が使える期間の出勤日数が表示されます。この日数と5行目にある往復で何回分かという数値を比較すると、定期券がおトクかどうかの詳細な判定ができます。

　2月23日からの1カ月定期なら有効期限は3月22日、その間の出勤日数は19日であることが分かります。定期券の料金は往復19.6回分ですから、買うと損になりそうです。3カ月や6カ月の定期なら出勤日数の方が多くなるのでオトクです。

　定期券を持っていると休日に遊びに行く場合でも使えるメリットがありますが、そのへんは計算に入れていません。

　出勤日数はNETWORKDAYS関数で求めました。開始日と終了日を入れると、土日を除いた日数が求められます。関数の仕様から、土日が必ず休みという場合しか計算できませんのであらかじめご了承ください。

　それ以外の休日は個別に指定します。図3の別シートを使いました。祝日のほかにお盆や年末・年始の休み、勤務先の特別な休みの日付を入れておきます。B列の日付を入力した範囲に「休日」という名前を付けることで、図2に示した数式が簡単になっています。

図3　休日の一覧。祝日やお盆休み、年末年始の休業日を入力してある。日付の部分には「休日」と名前を付けてある

　NETWORKDAYS関数をExcel 2003以前のバージョンで使う場合はあらかじめ設定しておく必要があります。Excelの「ツール」メニューから「アドイン」を選択して現れるウインドウで「分析ツール」の項目にチェックを入れて「OK」ボタンを押してください。この設定をしないとNETWORKDAYS関数を使ったセルがエラーになってしまいます。

　あまりにもセコイ性格だと思われそうで、このシートの公表にはためらいがありました。ところが後ろの席の女性から「それ欲しい」という声が上がったので記事にしました。

■解説で使用したExcelファイルを以下からダウンロードできます。

　自己解凍形式（55KB）
　Excelファイル形式（37KB）

　うまくダウンロードできない場合は日経パソコン講座ファイルのダウンロード方法をご覧ください。

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