暴力団排除条例で、取引先が暴力団関係者でないことの確認が企業などに義務づけられたことを受けて、警察庁は犯罪の被害防止などの目的に限って提供している暴力団関係者の情報を必要に応じて企業などにも提供することを決めました。
全国の多くの暴力団排除条例では、取引先が暴力団関係者でないことの確認が民間企業などに義務づけられていますが、企業自身で確認するのは難しいため、警察への問い合わせが相次いでいます。一方、警察庁にはおよそ8万人の暴力団関係者を登録したデータベースがありますが、一般への情報提供は暴力団による犯罪の被害防止や暴力団を相手取った裁判に必要な場合などに限られているのが現状です。このため、警察庁は通達を改正し、条例で必要な場合は民間企業にも取り引き相手などが暴力団関係者かどうかといった情報を提供することを決めました。また、情報を的確に提供できるよう暴力団関係者の分類をこれまでの「構成員」と「準構成員」の2つから「暴力団を利用して利益を得ようとする者」を示す「共生者」など5つに増やし、データベースを整備し直すということです。警察庁は、情報提供を進めることで暴力団排除の機運を高めたいとしています。