オリンパスの巨額の損失隠しで、東京地検特捜部と警視庁は、粉飾決算の疑いで21日に関係先を一斉に捜索し強制捜査に乗り出しました。オリンパスは、損失を海外のファンドに隠したことが発覚しないよう、金融機関に対し口止め工作をしていた疑いがあり、特捜部などは、不正の全容解明を進めることにしています。
オリンパスは、投資の失敗で抱えた1000億円を超える損失を海外のファンドに移し替えて隠し、巨額の企業買収を利用して穴埋めしていました。東京地検特捜部と警視庁は、菊川剛前社長ら当時の経営陣が去年までの4年間にわたり、うその有価証券報告書を提出して決算を粉飾していた疑いが強まったとして、21日、金融商品取引法違反の疑いで、本社など、およそ20か所を一斉に捜索しました。関係者によりますと、損失隠しの手口は、オリンパスがヨーロッパのリヒテンシュタインなどの銀行からひそかに融資を受けて、資金を海外のファンドに提供し、損失が出た有価証券をファンドに買い取らせるという複雑な方法でした。こうした手口は、山田秀雄元監査役と森久志元副社長が中心となって行っていたということです。そのうえで、山田元監査役は、銀行の担当者に対し、外部の監査法人から聞かれてもオリンパスに融資したことを認めないよう口止め工作をしていたことが、関係者への取材で分かりました。特捜部と警視庁は、オリンパスが行った複雑な経理操作や不透明な資金の流れについて解明を進めるものとみられます。