シンシアリーのブログ

ようこそいらっしゃいました。
ここは「日本の韓国統治に関する細密な報告書」という本の日本語訳を載せています。左のサイドバーにある「テーマ」の「はじめに・・」をまずお読みくださいませ。


テーマ:

・刑事訴訟
 
 刑事事件は例外無く検事によって法廷に提起される。検事の地位は米国の地方検事と概ね一致する。検事は自分で調べた内容、被害者の告訴、目撃者の陳述、犯罪捜査担当者たちの司法警察が集めた証拠などによって活動する。検事は特別な職責で、一般警察署の警部補より上である。


 現行犯は一般警察でも逮捕できるが、そうでない場合は警察は検事の補助者として、検事や司法警察が発給した令状を提示しなければならない。警察は逃走や証拠隠滅を防ぐため容疑者を十日未満まで拘禁できる。


(表)第1審裁判所が刑事事件に対して下した判決の数と種類
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判決の種類----1912----1921----1922----1923

死刑------------81------69------17------30
無期懲役--------44------47------16------26
有期懲役------9,533---16,744---12,892---9,585
無期禁錮---------0-------0-------1-------0
有期禁錮--------19------60------62------66
罰金-----------846----8,657---12,155---11,576
科料-----------309----1,162-----1,022---1,074
拘留------------42------53-------61------50
笞刑----------4,321-------0-------0-------0


合計---------15,195---26,792---26,226---22,407
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 上の表は第1審裁判所が刑事事件に対して下した判決の数と種類を表したものだ。懲役刑には重労働が含まれるが禁錮刑には労役は無い。罰金は20円以上、科料は20円未満だ。表の拘留は30日間未満の拘禁を意味する。笞刑は1920年刑罰から廃止された。


 韓国の人口が約1,800万でこの中で日本人と外国人の数が40万人未満であることを考慮すると当然であるが、表の数のほとんどは韓国人だ。1923年に重罪、即ち死刑や懲役、禁錮などに値する犯罪者の分布は、日本人638人、外国人147人、韓国人8,922人となる。


1923年韓国の監獄に収監された囚人は総8,978人でこの中で5,299人は1年以下の懲役を宣告された。残りの3,679人は多少重い罪を犯したことになるのだが、この数は全体人口から見ると10万人に21人になる。刑罰を見ると死刑が27人、無期懲役23人、懲役15年以上27人、懲役10年から15年未満が71人だった。


 この数値を見ると韓国人が法によく従っていて、日本は刑事裁判の判決に置いて韓国人に寛大だったという推論が出来るだろう。米国内での凶悪犯罪拡大に対する調査が数多くの州、市、民間団体、大学教授、連邦政府、そして国家犯罪委員会によって行われている昨今、韓国内の刑事裁判行政の特徴の一つが特別な関心を引く。それは高い有罪判決率だ。


 1923年までの12年間刑事法廷で審理された事件で被告への有罪判決が95.1%未満だった年は無い。同じ期間平均有罪判決率は96.8%だった。犯罪嫌疑で起訴された100人のうち有罪判決を受けてないのが5人未満という事実は韓国の犯罪発生率の大きな改善に確実に寄与した。


 第1審裁判で有罪判決を受けた人は第2審裁判所に控訴を提起出来るし、またその判決への上告を第3審裁判所に申請できた。1923年第2審裁判所に控訴提起された刑事事件は2,292件でこの中で939件が訴訟取下げ、607件は棄却された。565件は第1審裁判所の判決が完全に取り消し、36件は部分的な取り消しとなった。第3審裁判所に上告亭提起された事件は196件、この中から164件が棄却、7件が訴訟取下げとなった。第2審裁判所の判決は7件が完全に取り消し、1件が部分的に取り消しされた。


・裁判官


 1923年韓国の司法人力は日本人判事37人、日本人検事67人、韓国人検事10人、日本人書記官長4人、日本人通訳官4人、日本人書記官432人、その他の補助通訳官などで構成されている。


 判事は日本の皇帝が任命し、終身任期制で法律に定められた定年まで在職できる。定年は大法院長が63歳、他の判事は60歳になっている。大法院総会によって任期延長決議案が通過され総督の承認を得ると5年まで任期を延長できる。


 韓国で判事に任命される資格規定は厳格で細密だ。日本本土と概ね同一の規定が適用される。判事を免職できるのは法院による禁錮刑、または判事で構成された特別委員会から懲戒処分を受けた場合に限られるという規定があり、司法府の独立性が保障されている。弁護士規定によると韓国人も日本人も弁護士協会に加入できる。


 司法官吏の給料を引上げることで司法府の立地はここ数年で大きく改善された。旧韓国政府の時に支給されていた薄給に比べてずっと多くの人材を司法業務の方に惹きつける効果があったのだ。要するにその給料は持続的に高くなり、判事と検事の給料は年間で最小引上げ額は500円から1,200円までで最大引上げ額は2,200円から6,500円までだった。反面、書記と通訳官の年間給料の引上げ額は最小で120円から480円まで、最大で600円から1,920円までだった。中間職級の司法官吏の給料もこれと同じ位の引上げ幅だった。



・法院


 1925年韓国には大法院が1ヶ所、控訴法院が3ヶ所、地方法院が11ヶ所、地方法院支庁が46ヶ所、地方法院出張所が160ヶ所あった。地方法院出張所は登記と公証業務のみを扱った。

 民事事件も刑事事件も地方法院かその支庁で最初の審理が行われる。1次上訴は控訴法院で提起されて次の、また最後でもある、上告は大法院で審理が行われる。 韓国裁判所で下された判決に対して日本本土の裁判所に上訴を提起することはできない。

 一般的に地方法院では単独判事制で裁判が進行されるが、1,000円以上の金額と関連した民事訴訟または死刑、懲役1年以上の禁錮の刑が関わった刑事事件の場合は3人の判事の合議で裁判が進行される。
 軽微な事件は法院まで行くことも無く警察署長によって即決処理され、初犯は大体の場合は警告を受けて釈放される。この即決審判については7章「警察署と監獄」で扱われる。



・執行猶予


 犯罪者に下された判決の中で相当数が執行猶予を受けることになる。一般的には刑の執行を延期することとして知られている。懲役刑や2年未満の禁錮刑を受けた人が執行猶予の対象になる。ただ、その人が宣告直前までの7年の間に禁錮刑を受けてないという場合に限られる。執行猶予は検事の要請か担当判事の発議があった時に法院の許可を得て宣告される。検事が執行猶予を通じての救済に好意的だったのは1921年まで下された6,709件の執行猶予判決の中で30%以上が検事の要請による物だと言う事実からも判る。

 このような点から、初犯者、特に未成年の初犯者の場合、または犯罪者の個人的な状況を考慮して寛大な処罰を下すべきだと判断した事件には処罰より注意を与えるのが検事の方針だったと言えるだろう。



(6章、終わり)


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