ゲーム出版大手「エンターブレイン」の浜村弘一社長は7日、東京都内で開かれた業界担当記者向けのセミナー「ゲーム産業の現状と展望」で講演し、12月に発売される人気RPGの続編「ファイナルファンタジー(FF)13-2」(PS3・Xbox360、スクウェア・エニックス)について、「100万本を超えるビッグタイトルとなって市場を盛り上げるのは間違いない」と期待を寄せた。

 「主役争奪戦が始まった世界のゲーム産業」と題された講演では、「ニンテンドー3DS」「プレイステーションVita(Vita)」などの新型ゲーム機や、「モバゲー」「グリー」が展開するソーシャルゲームやスマートフォンといったジャンルについても分析した。

 浜村社長は、上半期の日本市場で最も盛り上がったハードとしてPSPを挙げ、上半期は1万本以下の売り上げだったソフトが減る一方で、10万本以上を売り上げるソフトが増加したとコメント。「モンスターハンターポータブル」シリーズの大ヒット以降、同じ要素を盛り込んだ作品がヒット作になっていることを指摘したうえで、「現在ではPSPソフトの3分の1を(モンスターハンターと同じ)マルチプレーのアクションゲームが占めている」とした。

 据え置き機で上半期国内トップとなったPS3については、「(状況が)1段層が上がって、市場も温まっている」とコメント。「バイオハザード リバイバルセレクション」(カプコン)や「ICO」(SCE)など、PS、PS2の人気作をHD化したタイトルが市場を下支えしていると分析。また、年末に発売される「Vita」との相互乗り入れなど、今後についても好意的な見方を示した。

 また、Xbox360については、日本向けのソフトが不足している現状を指摘し、6割が他ハードとのマルチプラットホームタイトルであることなども挙げ、「日本で普及していない分、(ライトユーザー向けの体感コントローラー)キネクト向けのタイトルが増えるのは厳しい」とコメント。一方で、PC向けの新OS「ウィンドウズ8」にXbox360のオンラインサービス「XboxLIVE」の機能が搭載されることを挙げて、より幅広い展開に期待を寄せた。