厳冬のテレビ局…給料20万円足らずのカツカツ内情

2011.12.19


奥山英志さん【拡大】

 東京都調布市内の公園で今年4月、首を吊った遺体で発見され、今月12日になってようやく本人と断定されたTVリポーターの奥山英志さん(62)。遺書はなく、確たる動機は不明だが、事件を聞いた元ワイドショースタッフの40代男性は「各局の経費削減で、今、職業としてリポーターは成り立たないほど厳しい立場だ」と、ため息交じりに明かす。一見華やかだが、現実は厳しいテレビ業界の現状が、奥山さんを早まらせた可能性は否定できない。

 「リポーターにも2種類いて、たとえば事件現場でディレクターと一緒に汗を流して取材する人がいる。一方で、カメラが回る時だけ、ちゃっちゃと話すタイプもいる」(同スタッフ)

 テレビ局が重宝するのは、言うまでもなく効率的な前者。関係者によると奥山さんも行動派リポーターだった。

 だが、そんな働き者のリポーターでも、テレビ局専属になり、個性を光らせてタレントとして生き残ることができる少数派以外には仕事がない。ベテランといえども結婚式の司会などの収入がメーンという人もいる。

 「テレビのスポット的な仕事はもはや皆無。情報番組などで番組中のプレゼン(ロケの報告など)をするのは局アナや報道局の若手、果ては20代のAD上がりにかわった。その分、訂正や放送事故も増える。40代以降はリポーターはもちろん、ディレクターの身も危ない。体力が必要な仕事なので、年齢が上になるほど『役に立たない』と思われて切られる」(前出の元スタッフ)

 容赦ないリストラ事情をそう明かす。

 また、ワイドショーを支える番組プロダクションは“完パケ”(完全パッケージ)という、いわゆる1コーナー単位を取材・編集して売るという単価の高い契約が取れなくなり、「最近は、完全な人材派遣会社としか機能していない」(下請けプロダクション)。

 あるスタッフはワイドショーのスタッフとしてテレビ局へ派遣され「マージンを差っ引かれて、給料は手取り20万足らずだった」と語る。

 「2008年9月のリーマン・ショックの影響は、すぐには来なかった。1〜2年遅れてドカンときた。そこからは経費削減の嵐。もう若いリポーターは育つ余地もない」と中堅の放送作家。

 笑顔を絶やさず、“100歳の双子”きんさんぎんさんにもかわいがられた奥山さんのような名物リポーターは、もう現れそうにない。

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