ポル・ポト政権時代にすべての法律が廃止されたことが経済発展の妨げとなってきたカンボジアで、日本の法律家らによる支援で民法が制定され、21日から施行されました。
カンボジアでは、1970年代のポル・ポト政権時代に、それまでの法制度がすべて廃止され、1993年に新憲法が制定されたあとも刑法や民法といった基本法典がありませんでした。このため、先進国や国際機関の支援で新しい法律の整備が始まり、2009年にフランスの支援で刑法が施行されたのに続いて、21日から、日本の支援で作られた民法が施行されることになりました。プノンペンの首相府で行われた記念式典で、日本の黒木雅文大使は「日本政府の支援による民法が、カンボジアの人たちの人権を守り、さらには経済の発展にも役立つことを望みます」と述べました。日本は、カンボジアに法律家や法務省の職員を派遣し、12年かけて、法律の条文作りやカンボジア人の法律家の養成を行ってきたということです。カンボジアでは、日本を含む海外からの企業の進出が相次いでいますが、これまではトラブルが発生しても、当事者による示談や、廃止されたはずの過去の法律に頼らざるをえず、経済発展の妨げとなってきました。