昨年11月から過去最悪の規模で発生した家畜伝染病「口蹄(こうてい)疫」を受け、全国各地に設けられた埋め立て処分地4799カ所のうち、300カ所で環境影響調査を行ったところ、4カ所に1カ所の割合で水がしみ出ていた可能性が高いことが、政府の分析により分かった。このため、全国各地に設けられたウシやブタの埋め立て処分地近くの地下水や土壌が、そこからしみ出た水により汚染されるという「2次環境汚染」が懸念されている。
環境部(省に相当)が今年4回にわたり、調査対象の埋め立て処分地300カ所の半径5メートル以内に観測井を掘り実施した地下水水質検査などを総合的に分析した結果「23.7%に当たる71カ所で浸出水が流出している可能性が高く、19.3%に当たる58カ所は経過観察が必要だということが分かった」と20日、発表した。あとの171カ所は浸出水流出の痕跡がなかった。
流出の可能性が高い71カ所について見ると、京畿道が33カ所と最も多く、慶尚北道12カ所、江原道8カ所、忠清南道7カ所、忠清北道5カ所、慶尚南道3カ所、全羅南道2カ所、仁川市1カ所などとなっている。環境部はこのうち、浸出水が流出するおそれが特に深刻な34カ所について、埋め立て処分地を別の場所に移設するようにし、残りの埋め立て処分地についても浸出水の拡散を防ぐため補強工事を行うよう、自治体に通達した。
環境部は「71カ所の半径5メートル以内での地下水・土壌で汚染が分かった一方、埋め立て処分地から300メートル以内に位置する全国8081カ所の地下水は浸出水で汚染されていないことが分かった」としている。
環境部関係者は「今年3回にわたり8081カ所の地下水水質検査を実施した結果、住民が飲用とする地下水(4325カ所)の57.8%が飲用水水質基準に合致していないことが分かった。しかし、これは畜産排水や堆肥(たいひ)などが地下水に流入したためで、浸出水の影響はない」と説明している。