東京電力福島第1原発事故によって拡散した放射性物質で水田の土壌が汚染され、収穫したコメも売れなくなったとして、福島県大玉村の鈴木博之さん(61)ら同県内のコメ農家数人が、東電に損害賠償を求める訴訟を起こす意向であることが21日、分かった。
鈴木さんの代理人を務める弁護士によると、来春ごろ東京地裁に提訴する方針という。請求は総額数億円に上る見通し。原発事故をめぐり、これまで農家が東電を提訴した例はないとみられる。
鈴木さんは「除染して新しい土を持ってくればいいというものではない。先祖から受け継いだ肥沃(ひよく)できれいな土を返してほしい」と話している。(共同)
毎日新聞 2011年12月22日 0時00分(最終更新 12月22日 0時58分)