IMAX-3Dで、映像と音に飛び込む!
「ハリー・ポッターと謎のプリンス」

先月の13日、神奈川県の109シネマズ川崎/埼玉県の109シネマズ菖蒲/大阪府の109シネマズ箕面の3館でオープンしたばかりのIMAXデジタルシアター。昨日7月13日、その中のひとつである109シネマズ川崎にて、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」のIMAX 3D上映による試写会が行なわれた。超人気シリーズの最新作、しかも3D上映とあって、場内は大変な賑わい。阿部孝夫川崎市長や、東急レクリエーションの専務取締役 映像事業部長である菅野信三氏の姿も見えた。“飛び出すハリー”は、果してどのようなものなのだろうか。

文字通り、ジェットコースターに乗っている感覚

 3D上映が行なわれるのは、冒頭の12分。その間は専用メガネをかけて鑑賞する。まずは雲間に浮かぶワーナーのロゴから立体映像となっていて、期待感を煽られる。

 死喰い人(=デス・イーター)と呼ばれる集団がロンドンの街を襲う場面では、自分も一緒に上空から急降下していくよう。絶叫マシーンの頂上から一気に落ちるときのように、思わず胃の辺りが浮き上がるような気がした。さらに、死喰い人が街中を駆け抜けるシーンは、ディズニーランドのアトラクション「スター・ツアーズ」で、自分の乗ったロケットが、猛スピードで宇宙基地の合間を縫っていくときの感じに似ているかもしれない。

 その後のハリーとダンブルドア校長が廃墟と化した家を訪ねる場面は、さながらホラー映画のような不気味さ。妙に現実味を感じる室内の立体感は、「画像が飛び出してくる」というよりも、「自分も同じ部屋の中に居合わせている」という感覚に近い。今までに観たことがあるどの3D映像よりも、格段にリアルさが増しているように感じられた。

 この先で、画面下に3D映像終了のアイコンが表示される(禁煙のマークの煙草部分がメガネになっているもの)。専用メガネが大きくて鼻のあたりがくすぐったかったので、全編3Dでなかったことに少々安堵した。

 冒頭に3D映像を持ってくるのは、観客を一気に映画へ引き込むのに最適だ。映画の始まってすぐは頭が切り替わらず、余計なことを考えがちだが、そういった隙を一切与えない。

自分と作品が一体化するのがIMAXだ!

 しかし、当然ながら“3D映像が終われば通常の映画館と同じ”というわけではない。そこはやはりIMAXなので、その後の映像にも充分な奥行感を感じる。映画の中に自分ごと入り込むような迫力は、やはり独特なものだ。もちろん、音も通常の映画館とはまったく違う。強いて言うならば、音が自分の周りを囲んでいるという感覚だろうか。

 なお、IMAX用の巨大スクリーンは、一見したところビスタサイズに近いように感じられる。「トランスフォーマー/リベンジ」上映の際はスクリーンをフルに使っていたが(作品の画面アスペクト比は確認できず)、今回はシネマスコープサイズのため、上下が若干切れている。しかし、まったく鑑賞の妨げにはならなかった。

 確かにIMAXの映像はすごいのだが、鑑賞中常に“IMAXで観ている”ということを意識しているわけではない。それはつまり、いつの間にか自分の身体が映像と音の中に飛び込んでいて、作品と一体化しているということなのだ。映画を観ていることすら忘れるぐらい、その世界に没頭してしまう。個人的には、それがIMAXの特徴だと思う。

 2,200円を「高い」と取るか「それなり」と取るかは人それぞれだろうが、一度は体験してみて損はしないだろう。お近くの方は、ぜひ足を伸ばしてみてはいかがだろうか。ちなみに、この作品は復習必須。以前のストーリーを忘れていなければ、大人でもきちんと楽しめる作品に仕上がっている。

■『ハリー・ポッターと謎のプリンス』IMAX-3D版
<鑑賞料金>
一般/大学生/高校生:¥2,200
中学生以下¥:¥1,500
シニア:¥1,500
エグゼクティブシート:¥2,500
障がい者手帳をお持ちの方:¥1,500

監督:デビッド・イェーツ
出演:ダニエル・ラドクリフ/ルパート・グリント/エマ・ワトソン/ジム・ブロードベント/ヘレナ・ボナム=カーター/マイケル・ガンボン/アラン・リックマン/マギー・スミス
原題:Harry Potter and the Half-Blood Prince
原作:J・K・ローリング
配給:ワーナー・ブラザース映画
7月15日(水)丸の内ピカデリーほか日米同時公開
(C) 2009 Warner Bros. Ent.
Harry Potter Publishing Rights (C) J.K.R.
Harry Potter characters, names and related indicia are trademarks of and (C) Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.


2009年7月14日
映画コラムニスト 鈴木晴子

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最終更新 11.12.20 15:43

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