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「マネー」は、為替取引をテーマにしたカードゲームです。プレイヤーは手持ちの資金を用いて入札を行い、狙いの通貨に換金して行くことによって得点を競います。ちなみにこの「マネー」、テーマが管理人の実生活の仕事と微妙に関係(?)がありまして、親近感のあるゲームとなっています。
さて、いきなり目を引くのがカードのデザイン。裏面に円、ポンド、ドル、ユーロ等の実在する9種類の紙幣が、そのまんま印刷されています。(個人的には、これだけで最高..。^^)そして、各カードには実際の金額とは関係無く幾つかの数字が振られています。(この数字がカードの価値に相当します。)また、紙幣の他にもコインが描かれたカードがあり、コインは一律10ポイントで紙幣よりも低く設定されています。そして更に、子供銀行券なるカードも存在します。
準備は簡単。各々6枚の銀行券カードをランダムに配り、更に1枚の子供銀行券を配ります。そして、残ったカードを中央に山札として置き、その両サイドに4枚つづカードを山札からめくって並べます。これで完了。 この、山札の両側に置かれた2組みのカードが入札対象となります。入札方式は一斉入札。各プレイヤーは手持ちのカードから入札に使用するカードを選び自分の前に裏向きにして出します。このとき、入札に使うカードの枚数に制限はありません。(尚、子供銀行券は無価値ですが、このときにカード枚数をゴマ化す為の、ハッタリとして使用します。) さて、全員の入札金額が決定したら、一斉にオープンし、合計ポイントが高い方から順に取引権を獲得します。尚、同ポイントとなってしまった場合は、各銀行券カードに振られている通し番号(業界用語?ではこれを記番号と呼びます..。)を見て、一番小さい通し番号のカードを出した方のプレイヤーを優先します。 ここで、取引権を獲得したプレイヤーは以下の中から行動を選択します。 (1) 自ら入札したカードと、中央に出ている2組みのカードの何れかを交換する。 (2) 自ら入札したカードと、他のプレイヤー1名が入札したカードを交換する。 (3) 取引きをパスして、入札したカードを手元に戻す。 この様に、紙幣を交換して行く部分が、為替取引きを表現しているのでしょう。尚、子供銀行券は取引対象外ですから、交換しないで手元に戻します。 こうして1人のプレイヤーが行動を終えたら、取引権は次の入札順位のプレイヤーに移動します。但し、前のプレイヤーによって、手持ちのカードが入札したカードと交換された場合は、その結果のカードの方で価値を評価します。(即ち、自動的に交換された人の手番に必ずなります。) 全員が取引権を行使したら1ラウンド終了。中央の2組みのカードが4枚未満になってしまった場合は、山札からカードをめくり、4枚になるまで補充した後、次の入札を開始します。こうしてラウンドを続け、場の補充が効かなくなった時点でゲーム終了。清算タイムとなります。 さて、得点の計算方法ですが、ここが「マネー」の一つのポイントとなっています。得点は紙幣の種類枚に計算するのですが、単純に加算するのでは無く、以下のルールが適用されます。 ・1つの紙幣について、合計ポイントが200点を越える場合は、その全てが得点となる。 ・1つの紙幣について、合計ポイントが100〜200点の場合は、「合計点−100」が得点となる。 ・1つの紙幣について、合計ポイントが100点以下の場合、その紙幣に付いての得点は無し。 ・1つの紙幣の同じ数字が描かれるものを3枚集める度に、100点のボーナス。 (ちなみに全部集めると3枚である。) 以上の清算ルールから判る様に、「マネー」では多くの種類の紙幣を集めても、必ずしも得点にはなりません。むしろ、紙幣の種類を絞って、収集を行うことが高得点への鍵となります。 では、「マネー」の作戦を考えてみます。要は、狙いを絞った紙幣を如何に多く集めるかがポイントであり、そこで重要なのが、場の流れを読むことでしょう。即ち、他人が集めていなさそうな、人気薄の紙幣に狙いを定めます。人気薄の紙幣はトレード市場に現われる確率が高いので、着実にそれを拾って行けば自然と同一紙幣を揃えることが出来るでしょう。 次の作戦として、「たまに価値の低いカードで入札を行う」と言うことが上げられます。例えば、場に価値の高い紙幣が多数並ぶケースがあります。この様な場合、プレイヤーは価値の高い紙幣で入札し、これを落としにかかるのが普通ですが、敢えて1人だけ価値の低いカードで入札します。無論、取引順位は最下位となりますが、他プレイヤーが出したカードの価値が高ければ、最終的にそれらのカードと交換することが可能です。即ち、高いカードを高いカードで競り落とすよりも、結果的に利幅が大きくなる可能性があると言う訳です。 この様に「マネー」は、競りに使った資金が競りの対象になると言う点で、一風変わった競りゲームであると言うことが出来るでしょう。作者は Reiner Knizia・1998年のドイツゲーム賞とドイツ年間ゲーム賞の両者にノミネートされています。 | |||||||||||