夏休みは、ずっとアキとミウと遊んでいた。
三人とも、彼氏も居なかったし、互いに遊んで楽しい存在だったし、自然と三人で集まっていた。
ただ、一緒に遊ぶにあたって気になる事もあった。
まずお腹を抱えて笑ったのが、ミウだ。
夏休みに入ると同時に、髪の毛を金髪に染めてきたのだ…
「なにその頭…」
私は、お腹を抱えて憚ること無く笑っていた。
「いや、ほら…夏休みだし、染めたっていいだろ?」
ミウは、照れたように鼻を掻きながら、ぶつぶつ呟いていた。
「いや、いいんだけどさ…ヤンキーの典型だよね…」
「なんつーか、トウモロコシみたいな色合い。」
私が、笑いながらそう言うと、
ミウが後ろから羽交い締めにして、頬っぺたをキュッと摘まんで、うるさいと笑いながら言った。
私も、あはははと笑いながら、ゴメンと言うと解放してくれた。
アキは、そんなやり取りを見ながらクスクス笑って、
「ミウの金髪可愛いと思うよ、好き。」
とフォローを入れた。
「だ、だよなー!アキだけだよ分かってくれるのは。」
ミウは、ウンウンと頷きながらアキの肩を抱き寄せていた。
こんなに暑いのに、暑苦しそうとアキに同情しながら、
「暑いしさ、サッサと店入ろう?」
私が提案すると、二人とも同意してくれた。
実は、夏休み前から気になっていたが、アキは私服が少し個性的…いやダサい。
本人にも自覚があるらしく、夏休み早々服を見繕ってくれと頼んできた。
既に持っている服の合わせ方とか、私やミウの小物なんかをあげたりして大分ましになってきたが、
アキは、一式見繕って欲しいと頼んできた。
私達が選んだ、素敵な服が欲しいとお小遣いを貯めて、今日を楽しみにしていた。
アキは、元が可愛いので服を選んであげるのが楽しかった。
ミウは、服のセンスは良かったが、ボーイッシュなスタイルが多かった。
だから、アキにも自分のスタイルをお薦めしていた。
「いやだから、そういうのはミウだから似合うんだって…」
「え~アキにも絶対似合うって!」
私とミウとで、しばらく揉めていたが、アキが私の選んだ服を気にいったみたいで、
可愛い感じの服で落ち着いた。
「ありがとう。二人とも、とっても素敵な服だよ。」
と笑顔でお礼を言ってくれた。
「アキの笑顔見れただけで、私は満足。」
「だな。」
それからしばらくは、ミウに可愛い感じの服を試着させて遊んでいた。
ミウは恥ずかしがっていたが、マコちゃんに見せたら可愛いって言ってくれるよと言ったら、
何着か買っていた、マコちゃんが絡むと急に可愛くなるんだから、と笑った。
次の日から、私達は夏休みを満喫した。
海に行ったり、互いの家に泊まりに行ったり、花火をしたり、男っ気は無かったが凄く楽しかった。
「本当に男っ気無いよね、私等…」
私の家に、二人が泊まりに来ていた時だった。
「別に要らんわ…」
ミウが、携帯を弄りながら答えた。
「私もいいかな…女の子同士が一番楽しいよ…」
二人とも、余にも素っ気なくて言い出しにくくなったが、
今のは、フリだ。
実は、今日マサからメールが来て、明日会う事になっていたのだ。
その報告と言うか、相談をしたくて二人を呼んで、停めたのだ。
「見よ!」
二人に、携帯を見せてメールの内容を明かした…
『メグ話したい事がある、明日会えないか?』
とても、淡白なメールだったが、真面目なマサらしいメールだった。
ミウとアキは、顔を見合わせ…
「マサに何かしたのか?」
とミウが、聞いてきたので、私はガクッとなって、何もしてないと言い繕った。
「いやいや、男から女に話したい事があるって、わざわざ呼び出すんだよ?」
「うん、告白する気だよね?」
アキが、顔を真っ赤にしながら聞いてきたので、私はコクリと頷いた。
「一応分かったってメールして、明日待ち合わせした。」
「うわ…リア充かよ…」
「つか、メグの気持ちは?告白受けるの?」
ミウが、嬉々として聞いてきた。
「まぁマサの事、嫌いじゃない…てか好きかも。」
「なら決まりだな!マサいい奴だし、おめでとうだよな、アキ?」
「うん。おめでとう。」
「素敵だなぁ。」
私とミウで毎日冷やかそうね、とミウと二人で笑いあっていた。
いつからそういう雰囲気だったんだよとか、どんな所が好きかとか、色々聞かれた。
その日は、私が弄られ役になって、眠るまで質問攻めにされた。
待ち合わせ場所に十分前に到着して、マサを待とうと思っていたが、
マサはすでに待ち合わせ場所で、私を待っていた。
「あ、早いね…もしかして結構待った?」
「いや、俺が早めに来ただけだから…」
「…」
「…メグも、早いね。」
「あ、ははは、待たせるの悪いかなとか思ってたんだけど…」
「俺も思ってた…」
凄く緊張していた…私もマサも…
妙な沈黙が続いて、無意味にはははと笑ってみて、
「あ、話って?」
「…」
マサは、フゥーっと息をついて、私を真っ直ぐ見つめてきた…
私は、真っ赤になりながら見つめ返していた、
「好きです。」
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