美容を目的とした医療などについて、国の消費者委員会はインターネットでの宣伝などがほとんど規制されていないためトラブルが相次いでいるとして、厚生労働大臣に対して規制を強めるよう求める方針です。
美容目的の医療やエステサービスなどを巡っては、全国の消費生活センターに「期待していた結果と違う」「高額の費用を請求された」などの相談が相次ぎ、昨年度はおよそ9400件に上りました。このうち、医療に関する相談のほとんどは保険が適用されない「自由診療」についてで、インターネットのホームページなどが医療法の広告規制の対象になっていないことや事前の説明が十分でないことがトラブルの原因になっていると指摘されています。都内に住む女性は、美容クリニックのホームページを見て、ことし2月、目の下の「くま」を消すためにヒアルロン酸を注入する美容整形を受けました。しかし、その後、かゆみと痛みが出て「しわ」や「しみ」が残ったということです。クリニックからはこうした点について、書面での事前説明はなかったということです。女性は「ホームページに出ていた整形の前後の比較写真を見て受けた。副作用などの可能性を示してほしかった」と話しています。消費者委員会は、こうしたトラブルを防ぐ必要があるとして、厚生労働大臣に対して、インターネットについても広告規制の対象にしてルールを設けることや、方法や費用を明示した契約書を交わすなど事前説明を徹底することなどを求める方針です。また、消費者担当大臣に対しては、美容医療などのトラブルについて消費者に適切に注意喚起するよう求めることにしています。