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WEEKEND SCOPE
 
 
2011年5月7日(土)放送
「なり手不足の介護現場 介護福祉士を目指す外国人」

 
介護福祉士の資格取得を目指し、日本にやってきたインドネシア人。
深刻な人手不足に悩む日本の介護現場で、希望の光となるべく、新たな試みが始まっているという。
今、介護職のなり手不足が大きな問題。
今後10年間で、介護に携わる人が、さらに60万人必要になるともいわれている。
介護職は報酬が低いうえ、決して楽な仕事ではないため、なかなかやりたいという人が増えない実態があるようだ。
その打開策のひとつとして今、介護の現場で外国人の力を借りようという動きが始まっている。

インドネシアから来日した、エディ・プラモノさん。
日本で介護福祉士になることを目指し、去年(2010年)の12月、東京・江戸川区の老人ホームにやってきた。
母国で介護の勉強をしていたエディさんは、日本の高い介護技術を学ぶのが夢だったという。
だが、祖国に妻と産まれたばかりの息子を残して来日。
給料の中から、毎月かかさず家族へ仕送りしている。
日本の1月分の給料が、インドネシアでの1年分に相当するという。

エディさんの1日は、お祈りから始まる。
イスラム教徒の彼にとって、1日5回のお祈りは欠かせない。
出勤前には、漢字の勉強。
少しでも言葉の壁をなくそうと、時間を惜しんで習得に励む。
朝6時、介護職員としての1日が始まる。
エディさんが勤める老人ホームは、入居者104人に対し、日中は30人態勢で介護にあたっていて、エディさんも、今や立派な戦力の1人。
この施設では、他にも2人のインドネシア人女性を受け入れている。
入所者を抱きかかえたり、オムツの処理をしたりと、肉体的にも精神的にも決して楽ではない仕事ばかりだが、それでも、自らの夢と家族のため、日本での介護の仕事に全力を傾ける。
1日8時間の労働を終え、帰宅。
夕食をとりながら、祖国の家族とインターネットを通じて会話。
1人奮闘するエディさんにとって、一番楽しみの時間、そして、最も心安らぐひとときだ。

エディさんは、この施設で3年間実習を重ねたのち、介護福祉士の国家試験に臨む。
エディさんは、お年寄りから『ありがとう』と言われるのが、一番の幸せと語った。
 


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