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【社会】

高1でつかんだプロ棋士への夢 船橋の大西研也さん

2011年12月20日 09時45分

棋士採用試験で採用され来春からプロ棋士になる大西研也さん=千葉県船橋市で

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 千葉県船橋市の私立東葉高校一年の大西研也さん(16)=市川市新井=が、十一月に囲碁のプロ試験(棋士採用試験)に合格した。プロ棋士に採用されるのは女流棋士を含めて年に六人ほど。「囲碁には無限の手がある」という大西さん。無限の夢に向かって来春、プロ棋士として一歩を踏み出す。 (林容史)

 さまよう平安の天才棋士の霊と出会った小学生がプロ棋士になり、“神の一手”を目指す。子どもたちを魅了したアニメ「ヒカルの碁」にひかれ、小学一年で囲碁に興味を持った。祖父の手ほどきでルールを覚え、近くの公民館で大人たちと対局するように。いつの間にか石を取られ、負けて帰っては泣いていたという。「勝ちたい」一心で対局や研究を重ね、二〇〇五年の第二十六回少年少女囲碁大会全国大会で準優勝した。

 プロを目指すための日本棋院の院生試験に合格するものの、プロ試験は二回続けて失敗。院生でいられるのは高校二年までで、そのプレッシャーから、ここ数年は下位クラスに降格するなど不調に悩んだという。しかし、大一番に強い強心臓で、三度目の挑戦となった今回のプロ試験の本選では十六人中トップの成績で採用。「本当にうれしかった」と会心の一局に笑顔をみせた。

 船橋市内で二十年以上、小中学生に囲碁を教え、大西さんも指導した「山下塾」の山下功さん(73)が「プロになることを勧めたのは大西さん、ただ一人」という。山下さんは「きらりと光る一手があった。才能がずばぬけていた」と絶賛する。

 大西さんの憧れの人は最年少の二十歳で名人になった井山裕太天元(22)。敗れた初手合わせを「思った以上に手応えがあった」と振り返り、プロとしての対局に思いをはせる。

 囲碁界は今、中国、韓国のタレントに席巻されている。大西さんは持ち前の攻める碁で、「タイトルを取って、世界で勝ちたい」と力強く碁盤に石を打った。

(東京新聞)

 

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