NY円:最高値を更新…一時75円78銭

2011年10月21日 22時19分 更新:10月22日 0時53分

 21日のニューヨーク外国為替市場で、円相場が一時、1ドル=75円78銭に急伸し、8月19日のニューヨーク市場で付けた戦後最高値(75円95銭)を約2カ月ぶりに更新した。欧州債務危機や米国の景気失速懸念から比較的安全な円に資金が流入しやすい環境が続いており、今後も円高圧力は続きそうだ。最高値突破を受け、政府・日銀は再度の円売り・ドル買い介入を含めた検討に入る。

 市場では、23日の欧州連合(EU)首脳会議で債務問題の解決策が打ち出されるとの見方が広がり、ユーロが買われ、ドルが売られる展開となった。これに伴い、円に対してもドルを売る動きが広がった。また21日に日本政府が閣議決定した円高対策への失望や米国で量的緩和への期待が広まったことも、円買い・ドル売りを後押しした。

 円相場が動いたのは日本時間の21日午後9時10分ごろ。それまで1ドル=76円台後半の小幅な値動きだったが、約50分かけ一本調子で円高が進み、戦後最高値を突破した。その後、ドルは買い戻され午後11時時点は76円台前半で推移している。

 欧州債務問題へ市場の関心が集中した8月中旬以降、円相場は1ドル=76~77円台で膠着(こうちゃく)した値動きとなっており、市場では「ドル円相場への警戒心が薄れる中で、大口のドル売り注文が入り一時的に円が急伸した」(SMBC日興証券の野地慎シニア債券為替ストラテジスト)との見方が多い。

 急激な円高は輸出企業の採算を悪化させ、東日本大震災からの復興を腰折れさせる懸念もある。政府・日銀は米欧通貨当局とも連携しながら、円高阻止に向けた効果的な方法を探る方針だ。【大久保渉】

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